岩波現代文庫
江戸時代とはなにか―日本史上の近世と近代

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  • サイズ 文庫判/ページ数 282p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006001582
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0121

内容説明

民主主義を支えるのは、自発的な社会的責任の意識であろう。江戸時代の人々は、それを「役」と表現し、現代の役人や役員の語につながる。民主主義が近代の一つの特色であるとすれば、日本の近代は江戸時代に始まっていたのではないか。この新しい視点から、日本の近世と近代を多角的に考察する。

目次

序説 日本史の時代区分
1 社会組織の基本原理(江戸時代の社会と政治思想の特質;江戸時代の天皇―その社会的基盤は何か;戦国大名と幕藩体制;徳川家康の文教政策と国家構想)
2 宗教と文化(日本における国民的宗教の成立;思想にみる江戸時代の個と集団;元禄文化と社会―職業文化人の登場)
3 近代への展望(明治維新と武士―「公論」の理念による維新像再構成の試み;日本史上における近代天皇制―天皇機関説の歴史的背景)

著者等紹介

尾藤正英[ビトウマサヒデ]
1923年、大阪市生まれ。1949年、東京大学文学部国史学科卒業。日本近世史専攻。東京大学名誉教授、日本学士院会員。安藤昌益や水戸学の原典に校注を加え、また伊藤仁斎・荻生徂徠・本居宣長らに関する論文を発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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天使

2
良書2023/06/06

1
時代の変遷から江戸時代を読み解く本。室町時代と江戸時代の決定的に違う点は実は民主主義にあり、村にある程度の自治権を認めて政治を遂行する姿勢はまさしく「近代」的なもの。中高の日本史で嫌になるほど覚えさせられた「明治維新での近代化」も欧米の理論(王政の終焉と民政の開始)に則ったに過ぎず、政治は前出の通り、啓蒙思想の面でも十二分に近代化はしていたのだ。2011/10/11

ゐ氏/きたの

0
講談社から荻生徂徠『政談』抄訳をだされている尾藤先生の江戸時代全体の概説本。近世の語の定義から入り、“役”という概念を大前提とした上で成り立っていた近世社会の構造を描く。社会への職務という観点が近世社会の大原理となっていたという観点から説く仁斎・徂徠・宣長の思想は私にとっては新鮮だったが、どうやら近世を学ぶものにとっては常識のようなものだったみたいなので...(というのも、別の論文を読んでいる時同じような前提に出会ったためそう思った) 今のうちに読んでおいて良かった&時間があるときゆっくりまとめたい。2015/07/06

YY

0
概観としてはいい。「家」「役義」等のキーワードで読み解く。しかし、天皇機関説のところはちょっと、というか、論理的にもかなり錯綜して怪しい。2012/11/21

のとや書架

0
[大学]「歴史学」 江戸時代というのは、世界史的には非常に不思議な時代。中世でも近代でもない、中間の時代。日本国内が、200年間ぐらい、大きな戦争もなく推移した安定の時代。日本と言われる国が、何百もの藩や天領などに分かれていて、人がそれを当たり前だと思っていた時代。そんな江戸時代とは、一体何だったのか。日本史の中でどう位置付けられているのか、それに迫る本。2009/07/10

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