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岩波現代文庫
果てしなき探求〈下〉―知的自伝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 251,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006001186
  • NDC分類 133.5
  • Cコード C0123

出版社内容情報

人文・社会・自然科学の諸領域で絶大な知的影響を及ぼした哲学者が,自らの思想形成の全貌を明らかにする.下巻では,ナチス台頭下での亡命,イギリスでの諸研究や,アインシュタインら多彩な知識人との交流を語る.(全2冊完結)

内容説明

人文・社会・自然科学の諸領域のみならず政治の世界にも絶大な知的影響を及ぼした哲学者が、自らの思想形成の全貌を明らかにする。下巻では、第二次大戦中亡命したニュージーランドや、戦後移住したイギリスで行なった諸研究を概観し、アインシュタインとの会見、ヴィトゲンシュタインとの論争など、多彩な知識人との交流を回顧する。

目次

近づきつつある戦争―ユダヤ人問題
移住―イギリスとニュージーランド
ニュージーランドでの初期の仕事
『開かれた社会』と『歴史法則主義の貧困』
ニュージーランドでの他の仕事
イギリス、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンスで
イギリスでの初期の仕事
最初の訪米―アインシュタインとの会見
問題と理論
シュレーディンガーとの論争〔ほか〕

著者等紹介

ポパー,カール・R.[ポパー,カールR.][Popper,Karl R.]
1902‐94年。ウィーンのユダヤ人家系に生まれる。哲学者。49‐69年、ロンドン大学教授。批判的合理主義の立場を打ち出し、科学方法論の領域では「反証可能性」の重視を主張、社会哲学の領域では「漸次的社会工学」の理念を提起した
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

40
ウィトゲンシュタイン、アインシュタイン、シュレーディンガー、ダーウィン主義と出てくるので、後半の方が興味を持って読むことが出来ます。訳者あとがきや解説も本書に集約されていて、先にここを読むべきだったかも知れません。コロナで何が混乱しているかというと、理系の知を社会に当てはめるときには、そのまま当てはめられないというリテラシーが文理ともに、それを批判し議論をつくるマスコミにも、そして国民にもないことです。ポパーのような文理融合の知を理想に掲げて久しいはずですが…2021/09/02

長谷川透

17
上巻に較べるとポパーの攻撃的な姿勢が目立ってくる。実際に、ヴィトゲンシュタインやシュレーディンガーを相手にした知的闘争は、ポパーも熱くなってしまっているのか他の章よりもギアを一つシフトしたかのように文章の切れ味が一回り増していて、読み応えがある。その一方で、マッハとボルツマンとの粒子を巡る論争に対しては双方の科学者(哲学者と呼んでもいいだろう)に十分な敬意を示している。上巻でのポパーの姿勢そのままだ。一旦熱くなってしまっても、中立的な視点に立って二人の思想の核を読者に示すクールな眼差しも健在だ。2013/08/09

白義

5
有名なヴィトゲンシュタインの火かき棒事件やシュレーディンガーとの論争などが、本人の口から語られるのを見ると畏怖に近いものすら覚える。全体的な科学哲学だけでなく進化論から物理学の客観主義といった個別科学の哲学に、マルクスやプラトン批判といった倫理学まで本当に幅広い哲学者だ。後半の三世界論なんかはやっぱり何度読んでも新鮮で面白い。哲学者の手による自伝のお手本のような本だ。間違いなくかなりの名作2012/02/07

roughfractus02

1
様々な日付の出来事があり、その能弁な語りから読者はそれを真と思う。確かに偽ではないだろうが、ウィトゲンシュタインの火かき棒事件という出来事の言明を真という純粋存在言明にするのは何か、と考えさせるための能弁だとしたら、自伝をテスト可能にすることが著者の目論見か、とふと考えてしまう書物だ。実際著者はこの事件に関して能弁すぎるという説があり(『ポパーとウィトゲンシュタイン』)、他の言明に開かれた有力な一仮説として考えるのもいい。最後に展開するダーウィニズムを状況の論理として把握する非決定論の著者ならなおさらだ。2017/02/23

ダージリン

0
アインシュタイン、シュレーディンガーとの対話やボルツマンを巡る話などは実に興味深い。この時代は科学者が思想家だったということを改めて感じる。 妥協せず知に誠実に向き合うことの凄味を感じた。2011/12/18

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