岩波現代文庫<br> 欧州経済史

  • ポイントキャンペーン

岩波現代文庫
欧州経済史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 266,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006000417
  • NDC分類 332.3
  • Cコード C0133

出版社内容情報

欧州経済史を問題史的観点から構成したユニークな概説書であり,大塚史学の方法論の核心に迫る書.資本主義の発達,産業資本の形成,封建制から資本主義への移行の問題を叙述する.論文「資本主義社会の形成」も収録.(解説=隅谷三喜男)

内容説明

本書は欧州経済史を問題史的観点から構成したユニークな概説書として定評があり、読者は本書によって、大塚史学の方法論の核心にふれることができる。資本主義の発達から、産業資本の形成、封建制から資本主義への移行の問題にいたるまで、凝縮された史的叙述が試みられている。論文「資本主義社会の形成」も収録。

目次

第1章 資本主義の発達(資本主義;産業資本;原始蓄積)
第2章 産業資本の形成(貨幣経済の発達;商人の活躍とその問屋制前貸;農村工業と中産的生産者層の分解;産業資本形成の歴史的条件)
第3章 封建制から資本主義への移行―その要旨
資本主義社会の形成

著者等紹介

大塚久雄[オオツカヒサオ]
1907-96年。西洋経済史学者。京都市出身。1930年東大経済学部卒業。法政大教授を経て47年東大教授。68年東大退官後、国際基督教大教授。学士院会員。文化功労者。92年文化勲章受賞。マルクスとウェーバーに影響を受け西洋近代の成立を究明し、近代的人間類型論を展開した。主要著作は『大塚久雄著作集』全13巻(岩波書店)に収録されている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゃん

21
大家による著作であるだけに読みごたえがありました。本書は、元々1956年刊行の入門的な概説書を文庫化したものであるようですが、私にはかなり重かったです。やはりもう一度世界史を復習してから読み直さないといけないなと思いました。とはいえ、欧州諸地域の歴史の詳細な説明はもとより、欧州の経済や産業構造の変化についての概観的な分析は参考になりました。それにしても、「第一章 資本主義の発達」が58頁、「第二章 産業資本の形成」が約160頁、そして「第三章 封建制から資本主義への移行」が4頁という構成はかなり大胆です。2017/09/11

Z

9
超名著。資本主義の発展史といっていいが、なんといっても農村共同体内の下からの農村工業の勃興に資本主義の発達の原動力を見、それを実証していく力業なり知性に驚く。ウェーバーをこういう風に使えばいいのかという、著者の引用する文献も素晴らしいガイド。資本主義の浸透は下からのあるいは農村からの自発的な動きなしには進展しない。都市や農村など時代ごとの共同体なり社会の編成原理を追っていき、エジプトの地域の宗教をベースにした農宗共同体からラティフンディウムに代表されるローマの農業ベースにした統治へと流れ、ローマの没落から2016/03/07

富士さん

4
資本主義の定義をおさらい。資本主義というのは畢竟、必要なものはお金で何でも買える、もしくは買えるだろうという状態である。金を集めるだけの拝金主義も、名誉や家や土地のような競合する媒体が並存する社会は資本主義であるとは言わない。歴史的には、田舎にマニュファクチャーが根付くことによって進んだ分業よって始まった。先進地域の点による貨幣経済とは違って、田舎の日常生活までお金を必要とし出すと後戻りは難しく、資本主義が定着した。本書はとても明察なのですが、何か足りない。それはたぶん資本主義のイデオロギー的な部分です。2016/09/16

Akiro OUED

3
資本主義的社会の到来前夜、農村工業社会とそこで普及した貨幣経済が、封建社会を溶かした。なるほど。産業革命の意義は、カイゼンを尊重する相対的剰余価値の追求から、ブラック労働を強要する絶対的剰余価値の追求に転回したことだという。痛い。今はどっちもか。先に進みたくさせる好著。2022/07/16

トキ

1
産業資本の形成過程に関して叙述的に書かれていて、論理的構成と文章力が素晴らしいと思った。2019/11/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/124863
  • ご注意事項