岩波現代文庫
物象化論の構図

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  • サイズ 文庫判/ページ数 358p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006000394
  • NDC分類 116.4
  • Cコード C0110

出版社内容情報

マルクス物象化論の現代的継承の方向性を指し示し,物象化論をすべての歴史的諸形象に敷衍して,現代社会科学における有効性を問う.「事的世界観」の核心部へと至る独創的な物象化論の全体像を提示する廣松哲学の精華.解説・熊野純彦.

内容説明

マルクス「物象化論」の方法論的特質とその現代的継承の方向性・可能性を大胆に指し示す思想の冒険。物象化論をすべての経済的・社会的・文化的な歴史的諸形象に敷衍し、現代諸科学の方法論としていかに有効であるかを論証する。「事的世界観」の核心部へと導いていく、独創的な物象化論の全体像を提示する広松哲学の精華。

目次

1 唯物史観の宣揚の為に(古典哲学の弁証法的止揚;人間主義の超克と新地平;疎外論の止揚と物象化論)
2 物象化論の構制と射程(社会的関係の物象化と文化形象の存在性格;歴史的動態の法則性と当事主体の有意行動;物象化批判の体系的方法と価値評価の視座)
3 歴史的世界の物象化論(商品世界の存在構造;歴史的世界の存在構造)
4 自然界の歴史的物象化
5 マルクスにおける哲学
跋文―物象化理論の拡張

著者等紹介

広松渉[ヒロマツワタル]
1933年-94年。福岡県柳川市生まれ。哲学者。東京大学大学院博士課程(哲学)修了。東京大学名誉教授。著書に、『存在と意味』『もの・こと・ことば』『マルクス主義の地平』『世界の共同主観的構造』『資本論の哲学』『生態史観と唯物史観』『新哲学入門』『現象学的社会学の祖型』『広松渉著作集』全16巻など
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

misty

2
廣松渉さんの中心武器であるといっていい「物象化論」についての直接的でまとまった書物はこれだけしかないだろう。『資本論を物象化論を視軸にして読む』を併せて読むことでさらに兄のマルクスについての理解が深まると思った。でも売ってないんだよね、2018/10/18

Daimon

0
疎外論ではなく、物象化論へ。ドイツ・イデオロギーからのマルクスの認識論的断絶についての一つの拠り所にできれば、と。2017/02/09

代理

0
ハイデガーがマルクスを『最も傑出した思想家と評価した』かは疑問。現体制の妥当的真理を打ち倒すには、現体制を倒すしか無い。理詰めで導き出された”世の中を変えるには世の中を変えるしか無い”という結論が時代のせいか物騒に聞こえる。2014/12/21

Happy Like a Honeybee

0
資本論読破に向けての布石として挑戦。 この手の本は何回も読むことで、全体像が掴めてくる。 マルクス用語も学者たちの解釈を少しずつ理解すればきっと。 商品世界の二重性。 商品はその諸属性により、人間の何らかの欲望を充たすところの外的対象である。この有用性がその物を使用価値たらしめる。 商品体そのものが使用価値?2014/10/05

M16

0
2章までしか2010/09/03

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