出版社内容情報
灘校で中学3年間をかけて『銀の匙』1冊を読みこむという授業を続けてきた橋本先生の実践的授業.「国語はすべての教科の基本であり,学ぶ力の背骨」という伝説の教師が国語の学び方を伝えます.「早急に答えを求めてはいけない,すぐに役立つものはすぐに役立たなくなります」など「学び」の原点に気づかされる1冊.
内容説明
神戸の灘校で、中学3年間をかけて『銀の匙』をじっくり読み込むという驚くべき授業を続けてきた橋本先生の実践的授業。「国語はすべての教材の基本であり、学ぶ力の背骨」だという“伝説の教師”が、国語の学び方を伝える。「学ぶこと」の原点に気づかされる1冊。
目次
1 「土曜講座」―二七年ぶりに教壇に立つ
2 私の『銀の匙』授業(『銀の匙』を教科書にしたわけ;生徒の興味を広げる)
3 国語を学ぶとは(『灘高式勉強法/国語』のこと;読むこと、書くこと;古文―『従然草』そして古典の共同研究)
4 人生の節目に思う(灘校五〇年を振り返って;米寿自祝;まだまだしておきたいことがある)
著者等紹介
橋本武[ハシモトタケシ]
1912(明治45)年京都府生まれ。2012年に満100歳を迎える。1934年に東京高等師範学校を卒業、旧制灘中学校の国語教師となる。中勘助著『銀の匙』を中学3年間かけて読み込むという授業を実践、21歳から71歳まで、50年間にわたり教壇に立ち続けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
依空
72
中勘助の『銀の匙』を中学3年間をかけて読みこむ授業とは一体どのようなものだったのだろうと、疑問と興味を持って手に取りました。「すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる」「繰り返しているからこそ名人になれる」と言い、横道にそれて遊びながら学ぶことで、好奇心や考える力、何より学ぶことの楽しさを、子供達に教えてこられたのですね。その裏では『銀の匙』を教科書とする為時間をかけて研究し、いざ授業が始まればプリントを作る為に睡眠を削りながらガリ切りをしていたという先生の姿があったそうで、その情熱には驚くばかりでした。2017/01/19
アキ
65
灘校の国語教師を50年勤めた著者の「銀の匙」授業の内容とは?99歳の時に母校で行った特別授業。まず黒板に書いた言葉が「あそぶ」「まなぶ」共通するものは?から始まり、脱線だらけどんどん横道にそれる楽しさ。遊びながら学んでいく、これが銀の匙の授業のやり方。1回目の授業では本文には触れず、2回目から手書きのプリントに沿い本の章毎に自分の題をつけて自分ならではの本に変えていく。大事なのは答えではなく過程であり、早急に答えを求めてはいけない。すぐ役立つものはすぐ役立たなくなる。そりゃこんな授業は面白いに決まってる。2019/08/24
よむよむ
47
なるほど~こういうやりかただったのですね。とことん自分で調べていく方法は以前から知っていましたが、一つの教材だけで3年間というのはスゴすぎです!恐るべし、橋本先生!『すぐに役に立つものはすぐに役に立たなくなります。』2013/02/24
><
43
初版2012年。こんなふうな授業が受けられたら。こんなふうに授業ができたら。生徒も先生も、楽しいだろうな。橋本先生の力量のすごさに、びっくり。自分が投げかけた質問に対して、どんな回答が飛んでくるのかわからない。けど、それを拾い集めて、次の授業につなげていかれる。本当にすごい。橋本先生がされていた授業について、もっともっと知りたくなりました。2015/07/02
壱萬弐仟縁
36
わたしは中高時代、国語の成績はいまひとつであった。大学入試も国語が癌であった。このような手法があれば、自習して学力をつけたかったのは残念。3年間熟読しながら、答までの過程を大切にする(ⅳ頁)。あとがきや年賀状の文字は、先生の生き方をも反映している。しっかりとした文字にき方。横道にそれて、遊びながら学ぶ(11頁)。実に魅力がある。注意すべき語句が24頁~。意味調べ。辞書を多用することになる。200字要約というのは効果がありそう。教師と同じことを生徒にやってもらう。共育(62頁)の実践だ。 2014/07/22