内容説明
「軍隊をすてた国」として注目を浴びる国、中米コスタリカ。コスタリカの人びとが考える平和とはどのようなものなのだろう?民主的な選挙システムや憲法小法廷、窓口負担無料の医療制度、環境を守る活動などを紹介。自由と民主主義を重んじる社会の中で育まれる人々の意識を探りながら、あらためて平和とはなにかを考える。
目次
第1章 「王様は裸だ!」と言った人たち
第2章 コスタリカ略史
第3章 平和の礎としての民主主義
第4章 人権先進国としてのアピールと実情
第5章 「環境先進国」を目指して
第6章 コスタリカにおける平和の文化
著者等紹介
足立力也[アダチリキヤ]
1973年福岡市生まれ。コスタリカ研究家。立命館大学大学院国際関係研究科博士課程前期課程修了。1999年からコスタリカに滞在し、国立ナシオナル大学大学院博士課程に在学、2000年に中退。ドキュメンタリー映画『軍隊をすてた国』アシスタント・プロデューサー。現在、ピースツアーの企画、平和問題や教育問題などに関する執筆、講演、ワークショップを行い、「ピース・コーディネーター」として幅広く活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Miki Shimizu
5
映画を見て関連書籍やって売ってたから買った。小さい頃から選挙とか民主主義がいきわたってる。教育とか福祉とか医療とかにお金をかけて、軍隊はなし!いいなー。日本とどこがちがうんかなー。むむむー。2017/10/15
piro5
4
軍隊を持たなくなった経緯は「内乱を起こした軍人が人気取りのために軍隊放棄を宣言した」という偶発的なものかもしれない。が、内戦に辟易していた国民の努力がそれを維持している。ここまで書くと平和に満ち溢れた国に思えそうだが、深刻な人権侵害(男尊女卑、老人や少数民族)も多い。しかし、「平和とは積極的に民主主義を維持する努力」とわかっているコスタリカは道を踏み外すことはないだろう。2013/08/12
元気伊勢子
3
岩波ジュニア新書は、良書。コスタリカは、平和、人権について子供の頃から勉強し、選挙にも参加する。私、この本を読んで人権や平和について、考えようって思ったなぁ。現代日本は、たくさんの問題が山積み。コスタリカから学べることはあるのではないか。2020/08/10
玻璃
3
日本国憲法第9条と集団的自衛権の問題などから引き合いに出されることがある、「軍隊をすてた国」の実態は、一定数の人々が考えているようなものとは恐らくかなり異なっているのではないだろうか。熱にうかされたように「民主主義ってなんだ!これだ!」と叫び、念仏のごとく「9条護持」を唱えていれば戦争を避けられると考えているかのような“平和主義者”に読んでほしい本。2015/11/11
ハムりん
3
刑務所を見るとその国の人権に対する考え方がわかるという。積極的平和主義はあらゆることなにたいして問題を深く掘り下げていくことなのかもしれない。理想と現実はいつも合致せず考えるほどに無力感に打ちのめされるけれど、その中でもいつもよくなるように点でなく線で考え行動したい。前向きになれる良書でした。2015/08/05