内容説明
いきいきした地域をつくるために何が必要なのだろう?地域のもつ人と自然の力、文化や産業の力に気づき、引き出していくことだ。それを実行するための手法・地元学は、いま全国各地で取り組まれ、若い人たちも活発に動いている。調べ方から活かし方まで、自ら行動して地域のことを深く知るのに役立つ1冊。
目次
1章 地元学って何だろう(水俣地元学のはじまり;実践を通じて進化してきた ほか)
2章 地元学のすすめ方―調べる・考える・まとめる・つくる・役立てる(土の地元学と風の地元学;調べる心がけとまなざし ほか)
3章 地元学ことはじめ―水俣での取り組み(世界に類例のない産業公害の発生;原因不明の病気 ほか)
4章 広がる地元学(川南町の地元学;ベトナム・ナムソン村の地元学 ほか)
5章 地元学で育つ若者たち(天野浩くん;松本和也くん ほか)
著者等紹介
吉本哲郎[ヨシモトテツロウ]
1948年水俣市生まれ。宮崎大学農学部卒業。1971年、水俣市役所に入る。都市計画課、企画課、環境対策課課長、水俣病資料館館長をへて、2008年退職。現在、地元学ネットワーク主宰。国内外で、地元に学んで人・自然・経済が元気な町や村をつくる地元学の実践にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわん
15
2008年11月の本。水俣の地元学実践を軸に農林水産業をベースとした地域再発見を体験する。真に岩波「ジュニア」新書らしさが滲み出ている一冊。しかし私はざっと読み。2021/05/08
ユウキ
11
私は福島県の出身です。だからと言うわけではないけれど、水俣が地域としてどう再生したのかは非常に興味があります。しかし本書を読んでわかったのは、水俣だけの問題ではない全国的な地方の衰退の問題でした。地方が力を失なったように見えるのは考える力、調べる力が急激に落ちたからだとの著者の説は説得力があります。逆に言えば今住んでいる地域に対して私自身ができるころは何か問われているようでもあり、少し考えてみたいです。2018/05/02
有無(ari-nashi)
6
昔は地元に有る物から作って生活し、現在はお金で物を買うようになった。そして、作る力も弱まり地元に有る物を忘れてしまい、無い物だけ見てお金を使う悪循環になる。あくまで現地の人が中心で、外の人は新しい気付きを生み出す手助け。無い物ねだりではなく、有る物探しを。2016/10/27
えふ
5
面白い。地域について知ること、学ぶこと、人との関係を作ることは大事。あまちゃんの台詞でもあった。地元にないものを考えるんじゃなく、あるものを考えよう。よくよく考えると、今住んでる場所のことを何も知らないな、と思う。本の例では田舎がメインで取り上げられているような気がするけど、こういう取り組みは都市圏の振興住宅でされた方が良い気がする。みんな家には寝るために帰るだけで、自分がどうところに住んでるかなんて興味ないように見える。2013/09/21
ぐっち
4
世間は変えられない。だから自分が変わる。という考え方がいいなと思った。2015/03/18