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岩波ジュニア新書
近代社会と格闘した思想家たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 192p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784005005178
  • NDC分類 K121
  • Cコード C0221

内容説明

明治維新以後、富国強兵の名のもとに進められた日本の近代化は、社会に何をもたらしたか。成功と見なされる反面、地域の習俗をこわし、新たな貧困と差別をつくり、抑圧社会は戦争へと突き進んだ。生命の尊厳をかかげて闘った田中正造や柳田国男、与謝野晶子ら25人の思想家を描く。

目次

1 文化をひらく(北村透谷;石川啄木 ほか)
2 生命をみつめて(横山源之助;田中正造 ほか)
3 存在の復権を求めて(伊波普猷;知里真志保 ほか)
4 戦争のなかで(柏木義円;黒島伝治 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

15
日本が近代国家として躍進していく中で排除し、切り捨て、踏みつけてきた様々な存在。そんな周縁や外部と関わり、その声を拾い上げ、またそのために戦った思想家たちが紹介されている。近代化により失われる民俗、風習に目を向けてきた柳田国男や柳宗悦、足尾鉱毒事件で知られる田中正造と、有名どころだけではなく工場の劣悪な労働環境を調査し批判した労働医学者の石原修など、一般的にはほとんど無名の、それこそ思想家というより実践家と言った方がいい人物も並ぶ。ここから見えるのは、負の日本近代史と、それに対峙した人々の思索の歩みである2015/10/04

Takao

3
2005年9月21日発行(初版)。近代社会と格闘した25人(北村透谷、石川啄木、柳田国男、南方熊楠、柳宗悦、津田左右吉、寺田寅彦、横山源之助、田中正造、石原修、山本宣治、野村芳兵衛、丸岡秀子、若月俊一、伊波普猷、知里真志保、松本治一郎、与謝野晶子、平塚らいてう、高村逸枝、柏木義円、黒島伝治、清沢洌、竹内好、仲宗根政善)が取り上げられている。石原修など、初めてその名を知ったもの、横山源之助など名前は知っていたがホントのところ何も知らなかったもの、等様々だが、紹介されている文献を参考にさらに知りたいと思った。2017/07/23

みさと

2
日本の近代化は、社会と人間、環境に何をもたらしたのか。軍事的強者になることと経済的強者になることは、果たして求めるべき道だったのか。明治以降日本に編入されたアイヌモシリや琉球にとって、それは郷土の歴史・言葉・魂を奪われることに他ならなかった。日本の植民地とされた朝鮮において、それは抑圧に他ならなかった。急激な社会変動により振り落とされ貧困を背負わされた者にとって、それは尊厳を奪われることに他ならなかった。人を殺す兵士が讃えられ、命を産み出す女性が蔑まれた。強烈なプロテストを表明した25人の生き様を描く。2020/09/30

壱萬弐仟縁

2
柳田国男や南方熊楠は鶴見和子先生の内発的発展論で分析されてきた経緯があり、10代の諸君にも彼らの名前が知られるのはいいことだと思える。柳宗悦や田中正造は鶴見俊輔氏から学んだ思想家であるが、民芸の概念に、公害克服の運動を想起した。河合塾の全統記述模試でも問われた足尾銅山鉱毒事件も、現代の原発事故による汚染とレベルも影響も甚大になっているが、なかなか大変な時代になっている。沖縄研修旅行では、伊波普猷(ゆう)の事前学習をするのだろう。いずれにしても、フェミニストもいるので、大学で女性学を学ぶ人もいるだろうか。2012/09/28

cracra

1
総体としての現代日本人はカスだけど、数は少なくとも心ある先輩方は確かにいた。今もいる。2011/05/21

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