出版社内容情報
なんで本はこんな形をしているのだろう.15世紀中頃にグーテンベルクが発明した印刷術から現在までの書物の発達を興味深くたどり,人間の知恵が注ぎ込まれた本という器の作られ方のすべてを解説します.
内容説明
読書のすすめに耳にタコができそうな皆さん、それはさておき、一緒に本作りの歴史を調べ、印刷、製本の現場を訪ねてみませんか。美しく、丈夫で扱いやすく、読みやすい本をつくるためにどんな工夫がされているか…。本は広い世界を歩くためのもっとも便利で、ときには危険なガイドなのです。
目次
1 本と印刷の歴史をたどる―印刷博物館を訪ねて(本を生み出したグーテンベルクの智恵;十六世紀―出版の黄金時代;美しい活字書体;グーテンベルクの発明が動かした社会 ほか)
2 現代の印刷―精興社印刷工場を訪ねて(活版印刷を知る;ポスト活版時代の到来;本作りの実際;色を刷る)
3 製本の仕事―牧製本工場見学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ 🍀安寧祈願🍀
198
書物の歴史や日本語という複雑な文字を扱う刷りの技術進化が詳細に記されている。凹版凸版平版。本を手にすると作られた時代を感じられる。写真が誕生するまでに描かれた挿絵や図版は特に貴重であり、人間の思考を導く存在となる。大量印刷が可能になり多くの人に本は届けられた。なぜ絵本に32・48頁が多いのかを最終章の製本が教えてくれる。世界に本が溢れた時代も終わり、電子書籍へと移り変わっていく。近い将来スマホも手放し、新たなかたちで私たちは読書を続けるのだろうが、紙の本という一冊の重みを感じられる喜びを大切にしていたい。2023/01/25
kinkin
81
本と印刷の歴史をたどる、現代の印刷、製本の仕事の章で構成されている。西洋のグーテンベルグの印刷技術や凹版、リトグラフの仕組みを知ることができた。そして日本の活版印刷、活字をひろって植字、その後いろいろな工程を経ることや写植の発達と最後に製本と各工程がわかりやすかった。昔の文庫本のページを触ると活字の凹みがあると嬉しくなる。(ただし今に比べるとずいぶんと字がちいさいけれど)いつもお世話になっている本が出来上がるまでに様々な人たちが関わっていることも改めて知った。図書館本。2019/02/05
kochi
20
本ができるまでを、印刷の歴史、現代の印刷技術及び機械的な製本の面から解説。全体的には池上さんの番組みたいな感じで丁寧に教えてくれる(岩波ジュニア新書だし)。定番のグーテンベルク聖書から始まり、書体の歴史やグラビアとオフセットの違いなども興味深いけれど、個人的に手製本に興味があるので、機械が自動で紙を揃えたり、花ぎれをつけたりすることの説明が面白い。家電製品が自動ラインで作られるのは想像できますが、ハードカバーの本が機械で作られるのを想像することはなかなか難しい。実際の工程もぜひ見たいものだ。2022/05/17
おはなし会 芽ぶっく
12
印刷の歴史、カラー印刷、製本のしくみなど、写真や図解で分かりやすく書かれています。一部文章のみで混乱したところも(;^_^A2021/03/31
kilioi
8
待ち時間に読了。本ができるまで、というか、印刷の歴史のような……。活版印刷やオフセットの仕組みが分かって勉強になりました。印刷所の見学、行きたかったなぁ。2013/05/31