出版社内容情報
eメールや携帯電話など無かった時代,人びとは恋する人への熱い想いを「和歌」に託して伝えました.「恋」をテーマに,『万葉集』『古今集』『伊勢物語』などの古典の魅力を,おなじみリンボウ先生が縦横に語った,絶好の日本古典入門.
内容説明
「いつも君のこと想ってる」、「好きでたまらない」…。携帯やeメールなど無かった時代、「和歌」は恋する人への熱い想いを伝える重要な「装置」でした。「恋」をテーマに、おなじみリンボウ先生が『万葉集』『古今集』『伊勢物語』『源氏物語』など、日本の代表的古典の魅力と面白さを縦横に語った、絶好の古典文学入門。
目次
序章 何が好きって「恋」が好き
第1章 『万葉集』は正直だ
第2章 『古今和歌集』の情緒纏綿
第3章 『新古今和歌集』のエロス
第4章 『伊勢物語』はなぜ読まれたか
第5章 『源氏物語』は奇跡である
第6章 『平家物語』の「もののあはれ」
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花実
10
リンボウ先生著で、とても読みやい。『古事記』『伊勢物語』『源氏物語』『古今和歌集』などから、恋にまつわる話を取り上げて、日本古典はこんな風に味わうと、こんなに魅力的なんですよ~と伝えてくれる。。「日本文学から恋を抜いたらスカスカなもの」なんだそう。そう言われてみるとそう思えてくる。いつも古典文学関係の著作に触れるときに思うことを今回も思った。「源氏物語」を読まないといけないなと。2013/10/09
ひよピパパ
7
リンボウ先生が日本古典の中から「恋」にまつわる歌や物語をピックアップして楽しく語りかけてくれる。教科書所載の有名な作品も取り上げられていて、わかりやすく、読んでいて楽しかった。特に興味深かったのは、「袖」のもつ意味合いの変質についてである。『万葉集』に度々出てくる、魂を交換し合う呪術的行為としての「袖」を振り合う動作が、やがて『古今集』の時代には「涙の象徴」としてその意味を変質させていったという。恋する「思い」は変わらぬものの、そのあらわれ方が時代の移り変わりとともに変遷していくことの面白さを感じた。2020/04/01
さっきぃ
5
面白かったー。恋が面白くてならぬ、と言い切って古典の恋について面白く解説してくれている。これほどわかりやすく面白く話してくれるなら古典をもっと読んでみたくなる。伊勢物語、平家物語をちゃんと読んでみたくなった。源氏物語は一度読んだことがあるけれど、この本を読んでみると改めてなんて面白い話なのか、ともう一度読んでみたくなる。日本の歴史というか文化というか、こういう世界はすごいなー。この著者の他のも読んでみたい。2018/08/23
みあき
3
なかなか難しかったです;;柏木の印象が思いっきり変わりました。女三の宮は本当に女性として未熟で幼稚な方だったんですね・・・2012/05/18
sumie
3
楽しく読めました。学生のころにこんな風にとらえられていたら、古典も楽しかったんだろうけど、その頃の私には今と同じようにはかんじられなかっただろうし、理解できそうもないか・・・。年の功かも。2010/08/12