岩波新書<br> 原発プロパガンダ

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岩波新書
原発プロパガンダ

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  • サイズ 新書判/ページ数 216p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004316015
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0236

出版社内容情報

巨大な電力マネーと日本独自の広告代理店システムが実現した「安全神話」「豊かな生活」の刷り込みの歴史。

内容説明

世界有数の地震大国日本になぜ五四基もの原発が建設され、多くの国民が原子力推進を肯定してきたのか。そこには電気料金から生じる巨大なマネーを原資に、日本独特の広告代理店システムを駆使して実現した「安全神話」と「豊かな生活」の刷り込みがあった。四〇年余にわたる国民的洗脳の実態を追う、もう一つの日本メディア史。

目次

序章 「欺瞞」と「恫喝」
第1章 原発プロパガンダの黎明期(一九六八~七九)
第2章 原発プロパガンダの発展期(一九八〇~八九)
第3章 原発プロパガンダの完成期(一九九〇~九九)
第4章 プロパガンダ爛熟期から崩壊へ(二〇〇〇~一一)
第5章 復活する原発プロパガンダ(二〇一三~)

著者等紹介

本間龍[ホンマリュウ]
著述家。1962年生まれ。博報堂で約18年間営業を担当。2006年退職後、在職中に発生した損金補填にまつわる詐欺容疑で逮捕・起訴。服役を通じて刑務所のシステムや司法行政に疑問をもち、出所後その体験を綴った『「懲役」を知っていますか?』(学習研究社)を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

77
電力会社や電気事業連合会がいかに多くのマスメディアを使い莫大な広告料を使い原発の安全性などを流布してきたかということがよくわかった。原発プロパガンダの定義から時系列的に広告の手段やその内容についても言及されていた。新聞の一面を使って有名人が原発に対する疑問を電力会社との間でQ&A式で載せられているのをよく見た有名人の疑問や意見は実はあらかじめ用意されたものを大衆にうまく刷り込ませるための手段であることを知った。何気なく見ている広告だが3.11以降またぞろ原発プロパガンダが跋扈始めていることが恐いと感じた。2016/06/04

どんぐり

75
2兆4000億円。この数字は、1970年から2011年までの40年間に原発の「安全性」と「必要性」を説くために原子力村が日本の原発推進広告に投下した金額である。広告費の原資は当然ながらすべて、利用者から集めた電気料金によるものだ。原発推進広告=原発プロパガンダの普及を推進する組織は、政府及び行政機関、電力9社、原発メーカー、原子力関連研究機関、メディア、そして電通と博報堂の二大広告代理店からなる。これが、3.11を境に、まるで戦争に敗れた国が大慌てで戦争犯罪記録を焼却するかのように、原発PRに手を染めてい2016/07/13

壱萬弐仟縁

65
プロパガンダの語源はラテン語のpropagare(繁殖させる、播種)。1622年の布教聖省(今の福音聖教省)として登場。キリスト教で最重要な、宣教活動。その後、プロパガンダは戦争で必要不可欠に(3頁)。洗脳の恐ろしさよ。日本のプロパガンダ推進組織は、政府、電力会社(とグループ企業)、原発メーカー、建設会社(と周辺企業)、原子力研究機関(東大頂点)、メディア、広告代理店(電通、博報堂、24頁)。原発プロパガンダは国民に対しては原発政策支持者を増やす欺瞞。メディアには真実を報道させない恫喝という二面性を持つ。2016/12/12

hatayan

61
元博報堂の社員が原発をめぐる政府の世論工作を暴露する一冊。「原発は安全で豊かな生活を実現し、環境に優しい。」3.11まで常識とされていた知識は政府や電力会社が広告代理店を使って大衆にすり込んだ「PA(パブリック・アクセプタンス)」の賜物でした。電力会社が新聞などに広告を出すのは、出稿の金額によってメディアの自粛を促し、間接的に世論を操る狙いがあるため。暗澹たる思いに沈みそうになる一方、原発の広告を出していても誤りをきちんと指摘する新潟日報のような気骨あるメディアが存在することは一縷の望みを抱かせます。2020/02/17

とくけんちょ

46
国策である原発推進。そのために国民に理解を得ようとして進められた原発宣伝、広報戦略。本書は、原発事故などの歴史とともに、その変遷を否定的な視座で書いている。メッセージは、短く、繰り返し行う。原発はクリーンエネルギー、確かに私の記憶に残っている。本書については、言葉足らず、説明不足、肝心なデータを除いたりと何か違和感を感じる。脱原発にも、清潔な胡散臭くないプロパガンダが必要。2023/01/24

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