岩波新書<br> プーチンとG8の終焉

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岩波新書
プーチンとG8の終焉

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  • サイズ 新書判/ページ数 238,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004315940
  • NDC分類 312.38
  • Cコード C0231

内容説明

クリミア編入後に、約二〇年関与してきた「G8」の枠組みと決別したロシア。経済的苦境に直面し、ナショナリズムと軍事力に訴える大国の動向は、混迷する中東情勢にも関わり、国際秩序の動揺を加速しかねない。著者自身の長期取材をもとに、ウクライナ危機の推移を追うことで、プーチン大統領が展開する政策の本質に迫る。

目次

序章 「戦後七〇年」の国際社会(秩序の構造的変化;ウクライナ危機の意味 ほか)
第1章 ウクライナの政変とクリミア編入(ヤヌコビッチ政権崩壊;クリミアの「再統合」 ほか)
第2章 戦略なき独立―ウクライナ略史(近代まで;ソ連時代―チェルノブイリの衝撃 ほか)
第3章 漂流する世界(戦後秩序の「制度疲労」;プーチンの世界観 ほか)
第4章 ロシアの将来―プーチンなくしてロシアなし(右傾化するロシア;反動 ほか)

著者等紹介

佐藤親賢[サトウチカマサ]
1964年埼玉県生まれ。東京都立大学法学部卒業。1987年共同通信社入社。1996~97年モスクワ大学留学。東京本社社会部、外信部を経て2002~03年プノンペン支局長。同年12月~07年2月モスクワ支局員。08年9月~12年12月モスクワ支局長。現在、編集局外信部次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

367
中心となるのはプーチンによるクリミア併合(2014年)以降2015年10月頃までのロシア及びウクライナの動静である。プーチンを軸としてこの間の情勢を見ると、それはアメリカ側(それは日本側でもある)からのそれとは幾分かは様相を異にする。G8が崩壊するが、もはやそれが戦後体制の中で世界の平和を維持しえなくなったからである。プーチンにとってアメリカによる一方的なルールの押し付けは容認しがたいことであった。同時に「オバマ・ドクトリン」は、もはやアメリカが自国が直接侵害されない限りにおいては⇒ 2022/04/07

トントン

20
クリミア併合とウクライナ危機で、約20年関与してきたG8の枠組みと決別したロシアだが、経済的苦境に直面し、ナショナリズムと軍事力に訴える政策を強めた。混迷するシリア情勢も関わり、国際秩序が動揺した「2015年まで」の情勢が分析されている。報道に左右されるものだと自身、つくづく思う。日本のメディアは当然、米政府やEUがロシアを批判する報道ばかりだったが、本書でキッシンジャーが「クリミアは特殊事例」としてロシアに理解を示していたのには刮目した。今は中国が台頭して再び国際秩序の危機を迎えているので、どうなるか…2022/01/09

coolflat

17
ウクライナ危機の推移を追いながら、プーチン政権の政策とは何たるか。その本質に迫っている。14頁。ウクライナ危機も、外交的には米国による一極支配に異を唱えるロシアの抵抗だが、経済的にはクリミアやウクライナ東部のロシア系住民が、高度成長を遂げ豊かになったロシアへの帰属を求め、政治的混乱と経済低迷が続くウクライナから離脱を試みたという「格差問題」とみることもできる。ウクライナ危機はプーチンの領土的野心が起こした事件ではなく、戦後秩序が動揺する中で噴き出した矛盾の一つと言ってよい。 2016/09/03

はとむぎ

15
ウクライナとロシアの状況を少し理解できた気がする。クリミア半島併合は、ロシア国民からすると素晴らしい出来事だったよう。そしてウクライナがNATO加入することは、ロシアにとっては国防上の重大な危機だった。それはロシアからすると看過できないことで、現在の危機となっている。組織の理屈で個人の尊厳が脅かされる。いつの時代も組織は怖いものだ。2022/03/07

ふるい

14
2014年に起こったクリミア編入とウクライナ危機の経緯を追うことで、プーチン率いるロシアの狙いを探る。ウクライナ危機では欧米からの強い非難を受け、特に米ロの対立が深まった。電撃的なクリミア編入を始めとするプーチンの政策からは、プーチン自身のロシア正教への強い信仰心と、「ソ連復活」への使命感、そして「強いリーダー」としてのプーチンを支持するロシア国民の様相が窺える。ソ連・ロシアを支えてきた「国連重視」「エネルギー資源」「核兵器」の三本柱のうち、欧米との対立により「核兵器」以外の二つが崩れつつあるなか、2022/03/07

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