出版社内容情報
商社・建設・食品・観光など、現地で活躍する日本人13人に聞く、読んで役立つ体験的イスラーム案内。
内容説明
世界に広がる一六億人のイスラーム市場。これからのビジネスに、イスラームの人びととの付き合いは必須だ。でも、なじみがなく戸惑う人も多いのでは?そんな時の心強い味方―商社・石油・建設・食品・観光など、現地で活躍する日本人が、土地と人と仕事を語る。地域別解説も付した体験的イスラーム案内。
目次
第1章 イスラームの懐に飛び込む―湾岸諸国
第2章 アラブとの付き合い方―アラブ諸国
第3章 誇り高きペルシアの人びと―イラン
第4章 西洋に最も近いイスラーム圏―トルコ
第5章 イスラーム?それとも地域の風習?―南アジア
第6章 イスラームとの新しい付き合い方―東南アジア、そして日本
著者等紹介
桜井啓子[サクライケイコ]
1959年東京生まれ。1991年上智大学外国語学研究科国際関係論専攻博士課程修了。博士(国際関係論)。現在、早稲田大学国際学術院教授。専門は比較社会学、地域研究(イラン)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
30
イスラム教の国でのビジネスや生活にまつわる十三人の体験談。公正で分かり易く書かれており、これから渡航する方の参考になりそうだ。特に女性の社会的地位とビジネス慣行は、皆多くを語っている。日本や欧米と随分違う様でもあり、単に経済的な問題もある。 日本人は他国が偏っていると思いがちだが、その時の関係や場の空気に合わせる日本文化は、空気醸成に参画する者同士の内輪の文化であり、閉じている事では抜きん出ている。分別ある人が愚かな決定を下すのも、一人前の日本人として正しく内輪向けに振舞っているだけかもしれない。2017/07/07
slowlifer
21
世界で頻発する民族紛争、宗教戦争、テロを解釈するべく読んでみた。イスラムはキリスト教と同様、個人と神との契約に基づく契約宗教。戒律が厳格なのも、砂漠など厳しい自然環境下で生き抜くための知恵で理に適ってはいる。日本を含め各国には、外部から見れば奇異に映る風習、習慣があり、イスラム圏のすべての特異性は「イスラム教の問題ではない」場合もある。とは言え、GCC諸国の君主制、偶像崇拝禁止、肌の露出禁止、部族社会など、価値観がかけ離れ過ぎている。でも、欧米であれイスラムであれ、どちらの価値観にも正誤はないとも思う。2015/11/23
skunk_c
17
イラン研究で著名な著者が、大学のプログラムの一環として行った講演をまとめたもの。中東・南アジア・東南アジア各地、さらには日本で事業を行う日本人ムスリムなど、本当に幅広い人の体験談をまとめることで、等身大のムスリムやイスラーム社会への理解を深めることができる良書だと思う。「イン・シャー・アッラー」という言葉の信仰に基づく多義性は、ムスリムをよく表していると思うし、信仰とはまた違った各地の民族性も感じることができる。IS等の血なまぐささでイメージを作ると、大多数のムスリムを誤解することになると再確認。2015/10/12
クサバナリスト
11
イスラム圏といっても地域によりかなり違いがあることがわかる。でも、本書で一番驚いたのは、第3章の始めにある、髪染めクリ-ムの商品パッケ-ジの写真。顔がかくしてある。髪は隠さないといけないが、それでは商品をイメ-ジできないのでこうなるのか?宗教の違いが良く分かる写真である。2015/10/29
或るエクレア
10
日本だと世間を介して相互信頼社会を作っているが、ムスリムたちは宗教を通じて相互信頼をしている感じか。信頼の形成の仕方が日本は面であちらは線のように思える。イスラムというと閉鎖的なイメージがあるが受け入れることに限っては、一定の知識さえあれば思ったほど頑なでもないようだ。私も中東を旅行したことがあるが温かく人懐っこい人達ばかりで不便を感じなかった。ただ日本が受け入れることを考えると、食べ物やお祈りなどを含めかなり高いハードルがあってたぶん無理。2017/01/27