岩波新書<br> アベノミクスの終焉

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岩波新書
アベノミクスの終焉

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004314950
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C0233

内容説明

政府と日銀によって紡がれる「アベノミクスによって日本経済は回復しつつある」という「物語」。しかし、それは真実なのか。異次元緩和の始まりから一年以上がたった今、いくつもの「つまずき」を抱えたアベノミクスの実態が明らかになっている。政治のレトリックに惑わされることなく、客観的なデータにもとづき、警鐘を鳴らす。

目次

第1章 異次元緩和は成果を収めているのか(天頂からの転落;異次元緩和の成果を検討する)
第2章 異次元緩和を支える経済学(中央銀行と金融政策;マクロ経済学と金融政策の歴史 ほか)
第3章 財政政策と公共事業(財政政策の理論的基礎;世界経済の危機と財政政策 ほか)
第4章 成長戦略とトリクルダウン(政府の規模を小さくすれば、成長できるのか;不平等の経済的、社会的コスト ほか)
終章 失敗から学ばない愚か者は同じ失敗を繰り返す(二〇〇八年の危機と経済学の敗北;ゾンビ経済学 ほか)

著者等紹介

服部茂幸[ハットリシゲユキ]
1964年大阪府生まれ。1988年京都大学経済学部経済学科卒業。96年京都大学博士(経済学)。現在、福井県立大学経済学部教授。専攻、理論経済学(マクロ経済学、金融政策)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

43
マクロ経済学の参考に読んだ。実際のデータと突き合わせてアベノミクスの有効性を検証している。今度は賛成派のかたの著書も読んでみよう。2016/07/09

壱萬弐仟縁

34
3本の矢は、別個に理論的基礎を持つと同時に、整合性も分らない(ⅳ頁)。異次元緩和のつまずき:家計は労働によって賃金を稼ぎ、消費に使っている。賃金と所得が急減する状況では消費増加はない。賃金↓、消費↓(20頁)。世界一企業が活躍できる国=世界一労働者や庶民が痛めつけられる国だと思うが。不平等が社会を荒廃させる:格差が大きいと精神病や麻薬が蔓延。肥満で平均寿命を縮める。10代妊娠が増加(ウィルキンソン&ピケット2010、146頁~)。2015/05/04

ゆう。

16
アベノミクスに対する、良心的立場からの批判書だと思います。僕は経済学が得意ではないですが、経済成長率にとって大きな政府か小さな政府かは関係がない事実や、結果の平等の重要性など、学ぶことの多い本でした。アベノミクスの成長戦略は、大企業減税と大型公共事業、働くルールの規制緩和などがあげられますが、それはトリクルダウンが生じることが前提となって進められています。しかし、著者は実質賃金は低下し、トリクルダウンは生じていなく、一部の富裕層だけが豊かになる仕組みだと批判します。多くの学ぶべきものがありました。2014/10/23

Francis

15
再読。4年半ぶりに読んだ。出版時点ではアベノミクスはまだ1年しか続いていなかったのでアベノミクスの効果はないとの仮説はあまりにも時期尚早だったのだが2019年現在では服部先生の仮説はほぼ証明されつつある。それは服部先生が日本経済は超低金利政策を採用しお金が沢山流通しても需要喚起につながらない「流動性の罠」に陥っていることを見抜いていたからで慧眼であるという他はない。大恐慌の研究者ベン・バーナンキFRB元議長が2000年代のバブルを否定していた例を挙げて経済学者は誤りがちであることにも警鐘を鳴らしている。2019/04/10

メタボン

15
☆☆★ 書かれた時期がまだ早かったのか、10月の追加緩和後の状況も考慮すれば、また違った結論になったのでは。経済の予測は難しい。タイトルは売らんかなの姿勢が目についていただけない。2015/05/14

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