岩波新書<br> 福島原発事故県民健康管理調査の闇

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岩波新書
福島原発事故県民健康管理調査の闇

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  • サイズ 新書判/ページ数 219p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004314424
  • NDC分類 493.19
  • Cコード C0236

内容説明

未曽有の原発事故により放出された大量の放射能。住民の健康への影響を調べる福島県の調査の裏で、専門家、行政担当者たちは一体、何をしていたのか。秘密裏に会議を繰り返し、事前に調査結果に対する評価をすりあわせ、議事録までも改竄―。一人の記者が、“闇”に立ち向かい、調査報道でその実態を明らかにする。

目次

1 取材開始
2 県民健康管理調査とは
3 秘密会
4 甲状腺がん、見つかる
5 シナリオ
6 何を決めていたのか
7 改竄された議事録
8 甲状腺検査
9 批判
10 原子力規制委員会
11 直接インタビュー

著者等紹介

日野行介[ヒノコウスケ]
1975年生まれ。九州大学法学部卒。毎日新聞社入社後、大津支局、福井支局敦賀駐在、大阪社会部、科学環境部を経て東京社会部。大阪社会部では司法担当が長く、和歌山県談合・汚職事件、薬害イレッサ訴訟や泉南アスベスト訴訟、郵便不正事件などを取材。敦賀駐在や科学環境部では原発を中心に取材した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

41
言論を封殺したり、調査結果を隠ぺいしたりと、怒りしか感じない。現状はどうなっているのか。福島県民以外の人間が「なかったこと」にしてはいけない。2016/02/10

hatayan

37
2011年の福島第一原発事故による健康影響調査の設計や評価に携わった県の関係者が水面下で秘密の会合を重ねていたことを調査報道で明らかにしたもの。被曝による影響を過小評価したいという強い意志のもと、安全とされる被曝量の閾値を引き上げ、市民を臆面もなく「プロの活動家」呼ばわりし、被災者に寄り添う委員の良心的な発言は黙殺。記者が情報公開をちらつかせると県は渋々と秘密会合の存在を認め、議員は議会の面子を守るために記者を恫喝する。行政が必ずしも住民の目線に立って動くわけではないという残酷な現実を突きつける一冊です。2019/10/26

James Hayashi

29
毎日新聞記者、13年著。福島原発事故の後、秘密裏に県民の健康調査が行われており、それをスクープ的に取材し内容を調べていくが、詳しくはわからない。おおかた相手方がはっきりものを言わないので、どれくらいの規模でどれくらいの被害が出ているのかわからない。内部被曝が考えられるので、長い目で見ていく必要があるが、行政が情報公開請求によっても、大っぴらに情報開示しないことは怪しげであり情報秘匿と思って間違いない。彼らは何を恐れ何を隠しているのだろう。2020/07/22

kenitirokikuti

7
図書館にて。あまり好みではないのだが、反権力寄りの言説も見てみようと思って、この(2022年現在では元・)毎日新聞記者である著書の本を5〜6冊借りてきた。好かんといっても、自分はこの著書とほぼ同じ年齢だし、新聞配達で毎日を配ってたし、いまも購読している▲Amazonレビューに一件、非・同調的なものがあり、県や国の対応が稚拙なのは事実だが、……というものがあった。まぁ、続きを読もう2022/09/24

るうるう

4
原発を多く抱える福島県は以前から反原発運動に手を焼き、アレルギーだったのかもしれない。県の担当者らの言動を見るとそう思える。原発神話の崩壊(事故発生)とともに反原発への理解や共感が生まれるかというと、そう簡単なことではないようだ。国や東電が一部の国民を切り捨てることはあっても、県のレベルの自治体で、つまり目の前にいる県民(親族や知人)を見捨てることはないと思っていたが、そうでもないようだ。どういう論理なのか、知りたい。筆者は結局は補償の問題だろうと推測しているが。2019/07/29

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