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岩波新書
秀吉の朝鮮侵略と民衆

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  • サイズ 新書判/ページ数 222,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004313908
  • NDC分類 210.49
  • Cコード C0221

出版社内容情報

日本では「文禄・慶長の役」と呼ばれてきた二度にわたる豊臣秀吉の朝鮮侵略は,後世の朝鮮観に大きな影響を与えた事件であった.秀吉はなぜ朝鮮に出兵したのか.その構想と李舜臣による亀甲船の戦いなど戦争の実態をたどりながら,朝鮮水軍の船漕ぎや朝鮮人となった日本人な

内容説明

日本では「文禄・慶長の役」と呼ばれてきた二度にわたる豊臣秀吉の朝鮮侵略は、後世の朝鮮観に大きな影響を与えた事件であった。秀吉はなぜ朝鮮に出兵したのか。その構想と李舜臣による亀甲船の戦いなど戦争の実態をたどりながら、朝鮮水軍の船漕ぎや朝鮮人となった日本人など日朝両国民衆の姿を描きだす。図版多数。

目次

第1章 秀吉の海外制覇野望とその挫折(秀吉、宗氏をつうじて朝鮮国王の服属を強要;明征服をめざした第一次朝鮮侵略;日明講話交渉とその破綻)
第2章 朝鮮の分断支配をねらった第二次侵略(朝鮮水軍の敗北;秀吉の鼻切り指令と虚構の供養;明・朝鮮の反撃体制と日本軍の朝鮮南岸駐屯地;秀吉の死去と日本軍の朝鮮撤退作戦)
第3章 海を知りつくした名将・李舜臣(制海権の掌握―第一次朝鮮侵略期;緊張つづく巨済島・見乃梁の陣地―日明講和交渉期;朝鮮水軍の再建と李舜臣の最後―第二次朝鮮侵略期)
第4章 李舜臣の水軍を支えた人々―水営の職人、船を漕ぐ民衆(船大工と弓匠;海戦の主役となる船漕ぎ;戦乱に巻き込まれた船漕ぎ;船漕ぎの逃亡と処刑)
第5章 朝鮮人になった日本人―数奇な運命をたどった「降倭」(降倭の出現と朝鮮側の対策;降倭となったきっかけ;朝鮮水軍に編成された降倭;2つのタイプの降倭)

著者等紹介

北島万次[キタジママンジ]
1935年愛知県に生まれる。1957年早稲田大学文学部史学科卒業。1959年東京都立大学大学院人文科学科(日本史)修士課程修了。1991年早稲田大学より文学博士の学位を受ける。専攻:日本中近世対外関係史。元高崎経済大学教授、元共立女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

瓜月(武部伸一)

5
秀吉の朝鮮侵略(文禄慶長の役・壬申倭乱)で朝鮮と日本の民衆はどのように戦争に動員され生きたか。その一端を描く。特に朝鮮水軍の将「李舜臣(イスンシン)」の「乱中日記」により、朝鮮水軍の人々がどのような人たちであったか詳しく論べる。初めて知った事。朝鮮水軍の戦闘力を支えた「船漕ぎ・射手」は鮑作人(ほうさくにん)と呼ばれた海民被差別民、また私奴婢が主力であったこと。彼ら被差別の民は水軍から脱走するものも多かった。日本軍からも過酷な軍役に耐え兼ね離脱する士卒がいた事と合わせ、歴史を多様な視点から読む大事さを思う。2021/06/06

sagatak

5
新しい所領の必要性で秀吉が朝鮮侵略をしたと言われるが、無謀だったという気がしていた。それにしても可能なら朝鮮を奪う、ではなく本気で奪いにいったことが本書を読んで分かった。戦争の是非は置くが、そのとき日本人、朝鮮人の武将兵隊のみでなく一般民衆にも多大な圧力があり右往左往したのが分かった。双方に有利な展開、不利な展開があり、なにかひとつ違えば、本当に朝鮮の一部を日本が領土として奪い取る展開も有り得たかもと思った。逆にそれを阻止した朝鮮人の第一人者が李舜臣ということのようだ。やや難しかったが読む価値あり。 2013/09/02

シンドバッド

5
はじめに の数ページで、私の読書欲を高揚させてくれた。新書という限られたボリュームにもかかわらず、広範な史料への言及がある良書。 現在の朝鮮半島・中国との状況にも考えさせられた。2013/08/06

みなみ

4
まず秀吉の朝鮮出兵の概略と李舜臣の活躍が書かれ、次に戦争に巻き込まれた民衆像が詳しく記される。海戦で船を漕ぐのは奴婢だ。こんなに危険なのに…いや、危険な仕事だからこそ身分が低い人たちがやらされるのだろう。動員される民衆、脱走する人たち。日本人の投降者。英雄が華々しく活躍するだけではない、戦争の真の姿だと思う。2019/11/30

AR読書記録

3
しかたないけど朝鮮侵略の経過に割いたページが多いなというのと、民衆といっても徴用後の兵士が中心だなというのが、読む前の想定とは違った。しかし、日本軍の行いをみるとそりゃ今でも憎まれてもなんとも言えませんと思うが、でも日本の総意として行ったわけでなく秀吉さえいなければ...と考えてしまってつらい。末尾の参考史料にみるように、当事者も含めた当時の記録がこんなに残っているのは知らなくて、このリスト見ながら読めるものは読んでいきたいとも思う。一番気になるのは「従軍医僧」の存在(と日記)。宗教は戦争にどう関わるか。2016/10/20

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