岩波新書<br> 夢よりも深い覚醒へ―3・11後の哲学

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岩波新書
夢よりも深い覚醒へ―3・11後の哲学

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  • サイズ 新書判/ページ数 264p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784004313564
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0236

出版社内容情報

「不可能性の時代」に起きた3.11の二つの惨事は,私たちに何を問うているのか.日本で,脱原発が一向に進まないのはなぜなのか.そもそもなぜこれほど多数の原発が日本列島において建設されてきたのか.圧倒的な破局を内に秘めた社会を変えていくための方法とは? オリジナルな思考を続ける著者渾身の根源的な考察.

内容説明

「不可能性の時代」に起きた3・11の二つの惨事は、私たちに何を問うているのか。日本で、脱原発が一向に進まないのはなぜなのか。そもそもなぜこれほど多数の原発が日本列島において建設されてきたのか。圧倒的な破局を内に秘めた社会を変えていくための方法とは?オリジナルな思考を続ける著者渾身の根源的な考察。

目次

序 夢よりも深い覚醒へ
1 倫理の不安―9・11と3・11の教訓
2 原子力という神
3 未来の他者はどこにいる?ここに!
4 神の国はあなたたちの中に
5 階級の召命
結 特異な社会契約

著者等紹介

大澤真幸[オオサワマサチ]
1958年長野県松本市に生まれる。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。個人思想誌『THINKING「O」』(左右社)主宰。専攻、比較社会学・社会システム論。著書、『ナショナリズムの由来』(講談社、毎日出版文化賞受賞)、『ふしぎなキリスト教』(共著、講談社現代新書、新書大賞受賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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matfalcon

42
日本人が核開発をやめないのは、被爆国だから。オウムは虚構の時代から不可能性の時代への移行の象徴。抜粋だけやけど、ハタと膝を打つ。2017/12/20

寛生

40
【図書館】とりわけ阪神・淡路大震災/オウム事件と東日本大震災/福島第一原発事故の両現象を成り立たせているだろう構造上の類比が卓越している。が、97頁辺から、どうも曇りのち大雨洪水のような議論展開には開いた口が塞がらなかった。まず大澤さんにお願いしたいことは、ちゃんと聖書を読んで欲しいということ。創世記、もしくはノアの洪水の箇所を、ちゃんと聖書を開けて自分の目で2、3回読んでくれ。それからだ、議論は。その後の、神、キリスト、終末論、神の死、神義論まで、すべて不合格。原発の廃棄に〈神〉なんかいらないでしょ?2014/03/26

ころこ

31
著者に対する否定的な意見は、論理が重ねられる間にペテンにでも遭ったように異なる場所に連れていかれるというものです。全くそんなことない!と力説したいですが、さすがに今回は厳しいかなという印象です。肯定的に読んでみると、東日本大震災は未曽有の出来事である。それを現実的対応可能性だけで考えてしまうと、むしろ真実を隠蔽してしまう。あえて夢想的と言われようが一片の真実を掴み取ろうとする試みです。さて、第3章でロールズの「無知のヴェール」は功利的であり現在の人間には説得的だが、未来の人間を含めると功利主義は機能しない2021/01/05

夜間飛行

25
原爆にやられた日本人が戦後逆に核の平和利用に夢を託したのは、私の少年時代に流行った鉄腕アトムの例一つをとってもわかる。やがてハルマゲドンを教義にした教団が事件を起こし、その頃から夢想は破られるが、「原発が富をもたらす」という銭勘定やら「原子力がないと暮らしが成り立たない」という恐怖心やらに未だに支配されているのが我々の現状だろう。未来の人たちのことまで考えて行動するにはどうしたらよいか? それには自らの欲望や不充足感への洞察が必要だという論旨はよいと思うが、江夏やヨブを例に取る辺りからついて行けなかった。2013/07/16

浅香山三郎

17
『戦後思想の「巨人」たち』からの流れ。大澤さんの本はいつも面白い。本書も見立てと展開が巧みで、3.11以降に何を考へるべきかといふことの基本形を提示する。原発の受容といふ状況をアイロニカルな没入といふ大澤さんのキー概念を用ひ乍ら説明し、それを打破する為に、キリスト教神学やマルクスの思想の考へ方を援用する。 しかし、比較的にすらすらと読むことは出来ても、要約は容易ではない。要再読である。2019/10/23

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