岩波新書<br> 脱原子力社会へ―電力をグリーン化する

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岩波新書
脱原子力社会へ―電力をグリーン化する

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  • サイズ 新書判/ページ数 243p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784004313281
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0236

出版社内容情報

90年代以降,すでに先進国は「非原子力化」のステージにある.「省エネ」を超えた効率利用,再生可能エネルギーの活用は常識.さらに電力の選択を主張する「グリーン電力」へ.この20年の各国の変化をふりかえり,市民風車やグリーン電力制度の実践を紹介,企業・NGO.消費者・行政の協働と成熟社会による選択を再提言する.

内容説明

エネルギーの選択は、どのような未来を選びとるのか、社会のあり方の選択の問題でもある。電力のグリーン化をキーワードに、カリフォルニアやドイツでの「省エネ」を超えたエネルギーの効率利用、再生可能エネルギー活用の実践をふまえ、政府・企業・NGO・消費者の協働にもとづく、未来志向的な「脱原子力大国」への政策転換を提言。

目次

第1章 なぜ原子力発電は止まらないのか(福島第一原発事故の教訓;なぜ原発建設は続いてきたのか;札束と権力―原子力施設受容のメカニズム;原発推進路線の袋小路)
第2章 「グリーン化」は二一世紀の合い言葉(原子力離れと電力のグリーン化;サクラメント電力公社の再生が意味するもの;地球温暖化と「原子力ルネサンス」;電力をグリーン化するために)
第3章 地域からの新しい声(巻原発住民投票の背景と帰結;再生可能エネルギーによる地域おこし;市民風車と市民共同発電)
第4章 脱原子力社会に向けて(エネルギーとデモクラシー;ドイツはなぜ脱原子力に転換できたのか;日本の選択)

著者等紹介

長谷川公一[ハセガワコウイチ]
1954年山形県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。社会学博士。東北大学大学院文学研究科教授。環境社会学、社会運動論、市民社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nさん

2
原子力問題を包括的に学べる一冊。原子力は国家権力と親和性が強く、市民感覚からは一番遠い。機密かつ強硬な国策としての原発に対して、我々市民は何ができるか?本書は原子力に対するオルタナティブを検討する。米国サクラメントの需要抑制と稼働率向上による合理的経営は脱原発事例の参考になるだろう。原発は電力源の一つにすぎない。原発運転を自己目的としてはダメだ。また風力発電の大規模化による両義性も提示される。あくまで大切なのは市民感覚・参画意識か。巨大資本による経営では採算に左右されたり、市民感覚の欠如が危惧されている。2019/11/19

kumonosuke

2
欧米で原発の数がそれ程増えない一方、中国など新興異国で猛烈な勢いで原発建設ラッシュが進んでいるのが怖い。せにはらは変えられない状況はあるのだろうけれども、将来に禍根を残さないような取組、長期的視野を持ち実践し欲しい。2014/03/03

mixa59

2
ドイツが原発全廃をなぜできたのかの章は、まったく知らなかったので目から鱗でした。すでに、福島原発事故以前に、そうとう強い市民運動による反対運動と、議論の蓄積があったんですね。 これをみると、日本で原発全廃するには、そうとう時間がかかるのではないかと思った。 2012/05/13

森閑書庫

2
脱原発論が体系的にまとめられている。これまでの日本の原発推進路線についての解説から諸外国でのクリーンエネルギーに対する取り組みまで。2011/12/22

Yuki.Ogawa

2
原子力ムラの闇は聞きあきた感がありますね。未来のためにさっさと退場していただきたい。原発に代わるオルタナティブの提示に弱さを感じるものの、原子力ムラの闇を描き、これまで日本で成功してきた再生可能エネルギー事業が紹介してあって今の自分の問題意識にマッチした知見を得られたかな、といったところ。2011/12/11

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