出版社内容情報
日本列島で「国家」はいつ成立したのか.それを解き明かす一つの鍵が考古学の成果にある.集落の構造,住居間の格差,富を蓄えた倉庫の様子など,社会構造の変遷を追っていったとき,邪馬台国は国家なのか,倭の五王の頃はどうか,あるいは7世紀以降の律令体制を待つのか…….諸外国の集落との比較も交え,わかりやすく語る.
内容説明
日本列島に「国家」はいつ成立したのか。それを解き明かす一つの鍵が考古学の成果にある。集落の構造、住居間の格差、富を蓄えた倉庫の様子など、社会構造の変遷を追っていったとき、邪馬台国は国家なのか、倭の五王の頃はどうか、あるいは七世紀以降の律令体制を待つのか…。諸外国の集落との比較も交え、わかりやすく語る。
目次
第1章 弥生社会をどう見るか
第2章 卑弥呼とその時代
第3章 巨大古墳の時代へ
第4章 権力の高まりと古墳の終焉
第5章 律令国家の完成へ
第6章 日本列島に国家はいつ成立したか
著者等紹介
都出比呂志[ツデヒロシ]
1942年大阪市生まれ。1964年京都大学文学部卒業、68年同大学大学院文学研究科博士課程中退。専攻、考古学・比較考古学。現在、大阪大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
43
第1回古代歴史文化賞。710年の平城京が律令制国家の始まりだが、その前段階である「初期国家」が、古墳時代にあったと説く都出(つで)氏の論考。邪馬台国の場所論争や三角縁獣神鏡の製作地論争など、世間を賑わせる話題について丁寧に学説を紹介。国家の始まりを巡る「753論争」は知りませんでしたが(笑)。最新の考古学の知識を得るための入門書としてはいいかもしれません。2017/02/12
yamahiko
18
国家の成立を実証的に解き明かした良書だと感じました。論の進め方に無理がなくとても分かりやすかったです。2016/08/08
目黒乱
17
古代国家がいつ成立したかとは、つまり日本で国家というものがいつ成立したかということです。それを古墳の分布や形態などから判断。スリリングでした。2015/01/23
fseigojp
15
関裕二さんの話は、あながちトンデモ系でもなかったことが、この本でわかった 神武東征だけは謎だけど2022/01/23
かんがく
13
「国家の成立」をテーマに弥生時代から律令国家の成立までを叙述。文献史料の少ない時代を、豊富な考古学的事実から解明していく様はとても面白い。古墳の形式や立地から権力の構造と推移を明らかにするパートが中心になっている。著者と考古学との関わりを扱ったあとがきも興味深かった。2021/04/18