内容説明
ジョン・コルトレーン(一九二六‐一九六七)。そのサックスからほとばしる音は、ジャズという音楽を根底から変えた。本書は、コルトレーンをよく聴く人はもちろん、これから聴き始める人にも格好の決定版評伝である。熱く煮えたぎる時代のなか、音楽が世界を変えると信じ、ジャズの可能性を極限まで追求しつづけた男の全生涯を描く。
目次
序章 怒涛の来日公演
第1章 生い立ち
第2章 三人の友
第3章 飛翔
第4章 驀進
第5章 決意
第6章 追求
終章 昇天
著者等紹介
藤岡靖洋[フジオカヤスヒロ]
1953年大阪市生まれ。1977年慶應義塾大学文学部史学科卒業。ジョン・コルトレーン研究家、呉服店経営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akira
28
ジョン・コルトレーンの生涯を追った一冊。 生い立ちからマイルススクール、その後の独立などモダンジャズの系譜が見て取れる。二大巨頭と称されるソニー・ロリンズとの関係も非常に興味深い(ライクソニーと言う曲は初耳)。そろそろテナーマッドネスを手に入れたくなる。 コルトレーンのアドリブといえば連続した音の速吹き。ライブ映像を見ると、その速さと長さに驚く。その音を聴くと名前を思い出す演奏者。彼もその一人になりつつある。 「シーツ•オヴ•サウンドー連続した細かい音符を速射砲のように繰り出す」2021/05/08
とびほびこび
28
演奏とは一転して決して多くを語らず寡黙な彼だったそうだが、信念や人種差別への抵抗、そして平和への強い願いは彼の奏でる音楽に染み込み、来日公演で過密スケジュールの中、広島・長崎に訪れたエピソードからも人柄が伺える。壮絶な幼少時代、マイルス・デイヴィスに見い出された才能、伸びしろを引き出されたコルトレーン。コルトレーン「どうやって演奏を止めたらいいのか分からないんだ!」マイルス「サックスを口から離せばいい、だけだっ!!」ビバップ(ビー・バップ)の語源の通り、音の殴り合いが熱量となり魂を揺さぶられる。2016/09/29
fseigojp
27
ドストエフスキー好きはコルトレーン好き トルストイ好きはマイルス・ディビス好き 小生の偏見ですが、深く信ずるところでもあります ではチェーホフ好きは? これも小生の偏見では、ビル・エバンス好きではないでしょうか。ああ止まらなくなった。フォークナー好きはミンガス好き、トウェイン好きはオスカー・ピーターソン?2016/04/13
baboocon
21
ジョン・コルトレーンの曲はよく聴くけれど、その人となりはよく知らなかった。マリファナに溺れたり複数の女性と関係を持っていたりと、まあ人気のジャズマンにありそうだなと。しかし、亡くなる1年ほど前に来日して全国横断ツアーをしていたのは知らなかった。「至上の愛」は彼の思想を込めた最高傑作だそうだが、音楽としては自分には今ひとつピンと来ていない。2018/06/01
裏鬼門
11
やはり、ピアノ・トリオにいってしまう♪2021/05/13