内容説明
勤務医の過重負担、地域医療の混乱、医療システムの動揺。医学・医療の直面する現実はきわめて深刻だ。打開の道は、果たしてあるのか。社会の信頼を回復し、社会とともに歩む医学・医療の再構築へ向けて、日本医学会総会がその知を結集する。「いのちと地球の未来をひらく医学・医療」を目標に、めざすべき明日をさぐる。
目次
第１部 未来の医療と社会（医療を守る（桐野高明）
医療人を育てる（吉岡俊正）
医療の質を極める（上原鳴夫）
医の倫理の未来を育む（赤林朗））
第２部 地球規模の医療（医療の輪が世界を救う（尾身茂）
病気に国境はない（押谷仁））
第３部 未来の医学・医療（臓器はよみがえる（岡野栄之）
ゲノムが医療を変える（中村祐輔）
がんに克つ（垣添忠生）
健康に生きる（内山真一郎）
生命を育む（大澤眞木子））
第４部 生と医の未来（未来をどう生きる（島薗進）
医学研究のめざすところ（永井良三））
第５部 対談 医の未来を語る（矢崎義雄・小川秀興）
著者等紹介
矢崎義雄［ヤザキヨシオ］
１９３８年生まれ。１９６３年東京大学医学部卒業。東京大学医学部教授、同医学部長、国立国際医療センター総長を経て、現在、独立行政法人国立病院機構理事長。専攻は内科学（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ロッキーのパパ
10
医療の臨床・研究的な面だけではなく、医療を取り巻く社会環境や治療行為の倫理的な面も含めて、これらの現状と将来の展望が書かれている。内容が多岐にわたる分だけ、総花的な印象になったのが少し残念。個人的には社会環境や倫理面の展望を深堀りして欲しかった。本編とは直接関係ないけど、「神は聖書だけではなく、自然という書物を書いた」という言葉が印象に残った。キリスト教文化である西欧で科学が発達した理由を上手く表現していると思う。2011/05/23
ikatin
5
本書の執筆コンセプトからして総論的にならざるを得ないのは仕方ないと思います。コメディカルの方々には最適ではないでしょうか。一般市民の皆さんには講演として直に聞いてもらうほうがより理解しやすいでしょう。自分にとっては第1部が喫緊の問題としてやはり一番興味深く読ませていただきました。また本文でも繰り返し述べてありましたが、メディアは医療・医療者の状況を必ずしも正しく伝えていないことも再認識。2011/07/24
らんぼー
2
医療がこれから進むべき、見据えるべき道を書いた一冊。医療系の本なだけあって内容は医療従事者向きだと思う2015/10/01
Kentaro
1
やはり再生医療への期待が強く感じられました。生物の中にはプラナリアのように、頭と胴を切り離しても、頭だけの方は胴体部分を再生し、胴体の方は頭を再生し、2個体に再生されます。イモリも四肢を切り離されても数日から数週で再生されていきます。 これには万能的に再生可能な幹細胞にまとわられていることがわかっています。 人の場合、これをES細胞やiPS細胞に期待がかかります。 奥深い医療の世界がなんとなくわかった気になる一冊でした。2018/02/12
まるさ
1
医学の現状について基礎〜臨床までを俯瞰した本。「医学研究の目指すところ」の章で医学についての基本的な見方が得られた。2015/07/27
