内容説明
日本のＧＤＰを追い抜き、豊かな国への足がかりを確かにしている中国。一方、周辺諸国への強い姿勢やナショナリズムの高揚、軍事力の増大などが、不安な警戒感を生んでいる。「嫌中」意識や脅威論が高まりつつある今、政治・軍事・経済・社会・国際関係の専門家一五名が、中国の現状を冷静に分析し、日中関係への提言を行う論集。
目次
はじめに 中国のいまをどう見るか
第１章 体外強硬姿勢の国内政治―「中国人の夢」から「中国の夢」へ
第２章 改革開放時代の中国政治をどう捉えるか―開発独裁モデルと近代化
第３章 中国軍は何を目指しているか―軍事プレゼンス増大と自己認識
第４章 下からの異議申し立て―社会に鬱積する不安と不満
第５章 周縁からの叫び―マイノリティ社会と国家統合
第６章 歴史を背負った自画像―悲願の達成をめぐる苦悩
第７章 岐路に立つ中国経済―発展パターンの転換は可能か
第８章 テクノ・ナショナリズムの衝突―レアアースをめぐる日中関係
第９章 東アジアの中の中国―日本外交への視点
終章 中国はどこへ行く
著者等紹介
国分良成［コクブンリョウセイ］
１９５３年生まれ。現在、慶應義塾大学法学部教授。専攻は現代中国論、東アジア国際関係（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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pierre-morgan
3
200ページそこそこのボリュームですが，各分野の専門家による執筆＋編者による全体統合により，中国初心者にとって絶好の手掛かり本に仕上がっています。中国のレアアースの競争力の高さは，単に資源量と人件費にあるのかと思っていたら実はそうではない点など，発見も多数あり。最近読んだ新書の中ではかなりのヒットです。2011/10/08
takao
2
ふむ2019/11/18
patamon
2
中国の現状について多方面から専門家が語る。専門的な話だけでなくコラムも挟まれている。主観的で感情的な論に陥りやすい中国論であるが、本書は客観的に冷静な視点から中国を見直すきっかけを与えてくれた。著者の一人の講義を受けているので是非とも話を伺ってみようと思う。2011/10/04
ちんれん
2
全10章の色々な角度からの最新中国論。新書という限られたスペースの中で全てを網羅するには無理があるが、レアアースの問題、少数民族問題、庶民からの異議申し立てについては興味深く読めた。2011/04/30
Masaki Iguchi
1
台湾を理解するための中国理解として手に取った本。色んな論者が色んな角度から論じていて、中国への興味が深まった。「偉大な国でありたい」という願望を持ち、世界第二位となった経済力を背景に横暴な行動をとっているように見える中国は、この先どこへ向かうのか。2020/05/06
