岩波新書
高木貞治―近代日本数学の父

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  • サイズ 新書判/ページ数 228,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004312857
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0241

出版社内容情報

高木貞治は、日本が生んだ最初の世界的代数学者。類体論という、近代整数論の代表的理論を建設した。明治の激動期に独自の夢をいだき、ドイツ数学の息吹を吸収して金字塔を打ち立てた。没後50年にあたらい、初の評伝が完成。

内容説明

高木貞治(一八七五‐一九六〇)は、日本が生んだ最初の世界的大数学者。類体論という、近代整数論の代表的理論を建設した。岡潔との数学史的な繋がり、晩年のヒルベルトへの思い、戦前戦後を通じた数学普及への努力など、さりげないエピソードに人柄がにじむ。師の系譜からは、明治初年の和算と近代数学の関係が解きほぐされる。初の評伝。

目次

序章 故郷を訪ねて
第1章 金粟初めて開く―岐阜から京都へ
第2章 二人の師―河合十太郎と藤澤利喜太郎
第3章 自由な読書にふける―数論の海へ
第4章 後るること正に五十年―類体論の建設
第5章 日本人の独創性―高木貞治の遺産
終章 高木貞治と岡潔

著者等紹介

高瀬正仁[タカセマサヒト]
昭和26年(1951年)、群馬県勢多郡東村(現、みどり市)に生れる。数学者、数学史家、専攻は多変数函数論と近代数学史。歌誌「風日」同人。現在、九州大学大学院数理学研究院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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猫丸

11
岐阜県出身の著名人といえば「流れ星」の二人が筆頭か(異論は認める)。しかし忘れてはいけないのが高木貞治先生である。「モレラ岐阜駅」という奇妙な駅を越えて本巣駅で降りると、数屋地区に高木貞治の生家がある。後に世界的数学者となる貞治の生まれた村が「数屋」とは出来過ぎな感もあるが。日本で最初に本格的西洋数学を講じた菊池大麓が第一講座(幾何)、その弟子藤澤利喜太郎が第二講座(解析)を占めた帝大数学科。ゲッチンゲン留学後の高木が第三講座(代数)の担当となる。類体論の主論文が成ったのはおよそ20年後。2021/06/06

舌噛

2
ヒルベルトが生の肝臓を食べるくだりと空襲で高木の蔵書がきれいに灰になってしまった描写が印象に残った。数学の歴史という意味ではワイエルシュトラスの少し後というのが一番ピンときたのと、明治の日本で数学をする環境を整えるのが大変だった様子がよく伝わってきた。そんな時代に解析概論のような本を書いた高木について少しだけ知ることができた。なお、レムニスケートの解説には明らかな間違いがある。2019/07/15

ロッキーのパパ

2
高木貞治は破天荒な逸話も少なく、波乱万丈の人生をおくったガロアとは違い、自伝としては読む楽しみは少ない。ただ、明治期における西洋数学受容の歴史としては、よくまとまっていると思う。高木だけじゃないけど、明治初期に大学に進学した人って頭の出来が違うんだな。そういえば、解析概論って昔々に買ったんだけど、まだ実家にあるかな(^_^;)2011/03/04

インテリ金ちゃん

1
数学者が身近に感じられた。本文中で、数式を追わなくてもよいのは楽...2019/06/29

takao

1
高木貞治がドイツに留学していたころ、ヒルベルト、クロネッカーなど、ドイツの数学界が輝いていた。 高木貞治が大学にいた頃は、独特のセミナーが行われていた。 岡潔は高木より30歳ほど若いが交流があったようだ。 2018/12/02

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