内容説明
「おひとりさまの老後」のシナリオは、ロスジェネ世代には通用しない?団塊世代は、年金を食い逃げして、逃げ切るのか?とかく対立が煽られる世代の違いを超え、本当に安心できる社会を求めて、社会学者と政治家が労働、教育、子育て、住宅、介護などの課題と解決策を語り尽くす。
目次
第1章 仕事、住まい(ちゃんと食べて生きていける賃金;よい柔軟化、悪い柔軟化 ほか)
第2章 家族、子ども、教育(ライフスタイルとしての、おひとりさま;結婚があたりまえでなくなる ほか)
第3章 医療、介護、年金(医療崩壊;保険制度をどうするか ほか)
第4章 税金、経済、社会連帯(税率を考える;給付付き税額控除 ほか)
第5章 世代間連帯(社会を変える世代か?;手遅れにならないうちに ほか)
著者等紹介
上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年生まれ。社会学者。京都大学大学院社会学博士課程修了。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授
辻元清美[ツジモトキヨミ]
1960年生まれ。現在、衆議院議員。早稲田大学教育学部卒業。83年に民間国際交流団体「ピースボート」を設立。96年、衆議院議員に初当選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シュシュ
14
弱者に優しく、政治に厳しい上野さんの文章を読むとスッキリする。皆がそこそこ、ぼちぼち生きていける社会でいいと思う。働きかたも固定観念にとらわれず、好きな仕事で収入が少ないなら、他にもこまごまと収入源を作っていけば、そこそこの生活はできる気がする。国は社会保険、年金、教育にもっとお金を回してほしい。2009年の本なので、現在はもっとよくなっているのだろうか?最後に、辻元さんと上野さんが世代をこえてつながろうよと話しているのは、とても説得力があった。希望が持てた。2015/08/09
pom
3
闘って得た権利は闘い続けなければ奪われる〜っていう上野千鶴子の言葉が重い。2013/12/08
まあい
2
とにかく情報が盛りだくさん。対談ということで、体系づけられて整理されていない分読みにくさはある。ただし海外との比較、問題の私的、政策提言など、得られるものは多い。2015/04/24
脳疣沼
1
上野千鶴子の主張に意外と賛同できた。辻元清美は、政策を考えるにあたって、自身のイデオロギーにところどころで妨害されている気がする。自分自身でも居心地が悪い面があるのではないか。2017/04/30
keepfine
1
社会保障政策に関して辻本が海外の先駆的な事例を提示しつつ、上野がそれは日本の条件下では実現のハードルがあると指摘するあたり、なんだか立場が逆じゃないか?と感じがあり面白かった。というか、政治家は実務家というよりは理論と実践をつなぐ媒介と考えたほうがいいのかな。勿論両者とも理論と実践(あるいは理想と現実)の両方に足場を置いており、そうしたギャップが必然的に論点化してきて、面白く読めた。2015/05/30