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岩波新書
ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国

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  • サイズ 新書判/ページ数 241,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311911
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0221

内容説明

一九三九年のノモンハン戦争は、かいらい国家満洲国とモンゴル人民共和国の国境をめぐる悲惨な戦闘の後、双方それぞれに二万人の犠牲をはらって終結した。誰のため、何のために?第二次大戦後、満洲国は消滅して中国東北部となり、モンゴルはソ連の崩壊とともに独立をまっとうした。現在につながる民族と国家の問題に迫った最新の研究。

目次

第1章 「事件」か、「戦争」か
第2章 満洲国の国境とホロンボイル
第3章 ハルハ廟事件からマンチューリ会議まで
第4章 抵抗するモンゴルの首脳たち
第5章 受難のブリヤート人―汎モンゴル主義者
第6章 汎モンゴル主義
第7章 ソ連、モンゴルからの満洲国への脱出者
第8章 戦場の兵士たち
第9章 チョイバルサンの夢―果たせぬ独立
第10章 誰がこの戦争を望んだか

著者等紹介

田中克彦[タナカカツヒコ]
1934年兵庫県に生まれる。1963年一橋大学大学院社会学研究科修了。現在、一橋大学名誉教授。専攻は言語学、モンゴル学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

184
 村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』に触発されて ノモンハンをもっと知ろうと思って読んだ新書。  現代の日本人から見ると、モンゴル・満州の 位置づけがなかなかわかりにくいが、本書は 丁寧に教えてくれる。  新書なので、硬質な文体だが、当然教科書よりは わかりやすい。  この戦争…ソ連や日本の狙いは何だったのか、 そしてそのために 2万人の犠牲を払った結果、 得られたものは何だったのか…何も知らない 現代の日本人に、厳しい過去の真実を教えて くれる良書である。2014/07/20

壱萬弐仟縁

22
戦争を知らぬ世代として、心して戦争を直視せねばと思う。改憲を画策する政権ゆえに。前に読んだ本に拉致した日本だが、ここでは捕虜になった日本兵(21頁)。やったりやられたり、の戦争は何でもあり。困ったもの。何千というモンゴル人が処刑される史実もある(55頁)。モンゴル人は日本人のルーツという気もするのに、どうしてうまく関係が築けなかったのかと思う。今、僕の友達で7か国できる留学生Kさんがいる。複雑に思う。満蒙は東部内蒙古なのだ(77頁)。戦場で亡くなった人より、平和日に亡くなる人が多いとは・・・(201頁)。2013/08/06

SOHSA

22
ノモンハン前夜の日本、ソ連、モンゴルの各情勢と思想を研究者の立場から丁寧に解説されている。しかし、やはり全ては見えてこない。本書に書かれなかったこと、書けなかったことこそが或いはノモンハンなのではないだろうか。歴史には唯一つだけの真実は存在せずあるのはその解釈論だけである。とは言え、本書で語られたノモンハンを初めとする戦前戦中の日本の近代史は今もまだ厚いベールを被ったままであり、私たちに容易に解釈を許さない。2013/06/06

skunk_c

18
モンゴル言語・民族の専門家がノモンハン戦争に至る情勢を、モンゴル諸民族の自立・統合という視点から捉えた本。戦闘についての記述は著者自身が好まないこともあり少ないが、モンゴル人民共和国と満洲国というふたつの傀儡国家に引き裂かれ、さらにそれを支配する日本とソ連の思惑、加えて漢族農民の土地への侵入などのなかで、ある種の「汎モンゴル主義」的な目標を持っていたという見方は新鮮。ソ連の粛清のすざまじさと、大義のためにそれに手を貸すモンゴル人政治家など、丹念な資料解読から説き起こす。著者の辻政信への敵意が半端ない。2017/02/17

KASAO

16
村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』で興味を持ったノモンハン事件をもっと詳しく知りたくて読みました。主張の食い違う国境線で争った満州と日本、モンゴルとソ連だけど、その裏でモンゴルの人々が独立を望み、ソ連がそれを阻止し続けていたという長きにわたる苦難の歴史があったことが分かった。当時は日本も周辺国に酷いことをしてきたけど、ソ連もソ連でおぞましい。ソ連での療養を薦めて、重職についていた人物を誘き出し、病死にみせかけて殺していたというのには肝が冷えました。2013/01/31

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