岩波新書<br> 小林多喜二―21世紀にどう読むか

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小林多喜二―21世紀にどう読むか

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  • サイズ 新書判/ページ数 263p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311690
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0223

内容説明

『蟹工船』の作者、小林多喜二(一九〇三‐三三)。その生き方と作品群は、現代に何を語りかけるのか。多喜二に魅せられ、その育った街・小樽に住んで多くの資料・証言に接した著者が、知られざる人間像に迫る。絵画も音楽も映画も愛し、ひたむきな恋に生き、反戦と社会変革をめざして拷問死に至った軌跡が、みずみずしい筆致の中に甦る。

目次

第1部 世界と向き合う作家へ―助走の日々(近代としての北海道―その「心臓」小樽;少年期の眼差しとことば;人生観、世界観の形成;記憶される青年・多喜二)
第2部 銀行員からプロレタリア作家へ―「人間への信頼」を基に(田口瀧子との運命的出会い;「頭から」でなく「胸の奥底から」;第一回普通選挙と日常生活;『一九二八年三月十五日』の壮絶;『蟹工船』という鏡)
第3部 小樽から東京へ―「体全体でぶっつかって」(クビになって執筆する;「田舎者」の新進作家;新聞小説『安子』;全力疾走―『党生活者』;東京の冬空の下の死)

著者等紹介

フィールド,ノーマ[フィールド,ノーマ][Field,Norma]
1947年、東京で米国人の父と日本人の母の間に生まれる。1965年、アメリカン・スクール卒業後に渡米し、カリフォルニア州の女子大(当時)、ピッツァー大学へ。フランス留学中に「5月革命」を経験、帰米。卒業後は教師、主婦などを経て、1983年にプリンストン大学で博士号取得。2004‐05年、小樽市在住。現在、シカゴ大学教授。専攻は日本文学・日本文化。シカゴ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

33
私の問題関心は、ラスキン→大熊信行小林多喜二の思想継承ラインである。よって、大熊のことが書いてあった箇所。さらには、伊藤整との関係である。伊藤整の小説や回想文を通じて知られているとのこと(64頁)。調べてみたい。多喜二は自分の書いたもの、必ず発表されたものを大熊に渡して批評を乞うていた(65頁)。ライバルならではの理解者・伊藤整(68頁~)。一級下の彼が描く多喜二。誰か(傍点)の世話になることを忍んで、下から上へ、階級の境を飛び越えた者の屈折の表現(71頁)。2020/10/18

A.T

30
想像以上に濃い内容。代表作「蟹工船」には1926年に取りざたされた北洋漁業の過酷な労働実態がモデルになっている。世界稀に見る拷問文学「1928年3月15日」、過去作品の登場人物、その役割テーマを集約したような「安子(元の表題は 新女性気質)」を始めとして、ほぼ全作品を解説。これほどの多作とは知らなかった。1932年29歳の若さで、3時間の拷問の末に虐殺された重すぎる事実により、消し難い歴史を後世に残した文学者として、わたし個人として三島よりも評価がされるべきだろうと感じる。2019/06/08

カブトムシ

22
1933年(昭和8年)2月20日、小林多喜二は築地署の特高警察に逃げ切れず、取り調べを受けた。3時間の末、瀕死の状態で病院に運ばれ、間もなく絶命した。小樽に戻った遺骨は、『不在地主』の印税でセキ(母親)が建てた墓地の小林家の墓に納められた。2月20日が誕生日の志賀直哉(阿川弘之の調査では、「いい天気」)、丁重な手紙と香典をセキに送った。日記には「アンタンたる気持ちになる、不図彼らの意図ものになるべしという気する」(これについて、平野謙は、否定的だったと記憶している)と記された。多喜二は生涯志賀を私淑した。

小鈴

14
今やブームになった小林多喜二だが、良くも悪くも色のついた作家だ。ノーマ・フィールドは、多喜二の作品と人物を丹念に検証し、色のついた「多喜二」から多喜二らしさを回復させる(「色」を抜くということではない!)。その過程で見えてくるのは、近代化のダイナミクスが集約された北海道小樽であり、露骨に現れた資本主義の矛盾である。その経済構造の下で人間模様はブル対プロという単純な対立ではなく、経済構造に規定化されそれぞれに事情を抱えた人物の思いや行動を丹念に描く。「貧困の反対は富でなく、正義である」。いかに惨めなのかでは2010/01/06

NY

13
小林多喜二への愛情にあふれた批評だ。メジャーな作品のみならず、未完作や人間関係まで丁寧に網羅しつつ、多喜二の生涯に寄り添っている。多喜二の人間味(明るく人に慕われた人物だったらしい)とバランス感覚がいかに作品に反映されているか、「政治を目的にするのは芸術とは言えない」という批判がいかに無意味か、が主なポイントか。現代に蘇りつつある資本主義の暴走を頭の片隅に起きながら「蟹工船」などから自分が何を読み取れるか。次の読書が楽しみだ。2019/09/02

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