内容説明
『蟹工船』の作者、小林多喜二(一九〇三‐三三)。その生き方と作品群は、現代に何を語りかけるのか。多喜二に魅せられ、その育った街・小樽に住んで多くの資料・証言に接した著者が、知られざる人間像に迫る。絵画も音楽も映画も愛し、ひたむきな恋に生き、反戦と社会変革をめざして拷問死に至った軌跡が、みずみずしい筆致の中に甦る。
目次
第1部 世界と向き合う作家へ―助走の日々(近代としての北海道―その「心臓」小樽;少年期の眼差しとことば;人生観、世界観の形成;記憶される青年・多喜二)
第2部 銀行員からプロレタリア作家へ―「人間への信頼」を基に(田口瀧子との運命的出会い;「頭から」でなく「胸の奥底から」;第一回普通選挙と日常生活;『一九二八年三月十五日』の壮絶;『蟹工船』という鏡)
第3部 小樽から東京へ―「体全体でぶっつかって」(クビになって執筆する;「田舎者」の新進作家;新聞小説『安子』;全力疾走―『党生活者』;東京の冬空の下の死)
著者等紹介
フィールド,ノーマ[フィールド,ノーマ][Field,Norma]
1947年、東京で米国人の父と日本人の母の間に生まれる。1965年、アメリカン・スクール卒業後に渡米し、カリフォルニア州の女子大(当時)、ピッツァー大学へ。フランス留学中に「5月革命」を経験、帰米。卒業後は教師、主婦などを経て、1983年にプリンストン大学で博士号取得。2004‐05年、小樽市在住。現在、シカゴ大学教授。専攻は日本文学・日本文化。シカゴ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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