岩波新書
好戦の共和国アメリカ―戦争の記憶をたどる

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  • サイズ 新書判/ページ数 251,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311485
  • NDC分類 253
  • Cコード C0222

内容説明

植民地・建国期から、二一世紀の対テロ戦争・イラク戦争に至るまで、戦争を繰り返してきたアメリカ。デモクラシーの先駆者を自負する国が、時として、戦争へと前のめりに突き進んでしまう。この好戦性はどこから来るのだろうか。戦争とその記憶の変遷を通史的にたどりながら、アメリカにとっての戦争の意味を考える。

目次

第1章 独立への道―植民地戦争と独立戦争
第2章 対欧「孤立」と大陸内「膨張」―第二次米英戦争とアメリカ・メキシコ戦争
第3章 内戦の悲劇と海洋帝国化―南北戦争と米西戦争
第4章 新世界秩序の構築―二つの世界大戦
第5章 「パクス・アメリカーナ」と局地戦争―朝鮮戦争とベトナム戦争
第6章 ポスト冷戦下の民族・宗教紛争とアメリカ―湾岸戦争と対テロ戦争

著者等紹介

油井大三郎[ユイダイザブロウ]
1945年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了、社会学博士。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、東京女子大学教授、東京大学名誉教授。専攻はアメリカ現代史・世界現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

風に吹かれて

11
2008年刊。アメリカが行った戦争からアメリカを考察したアメリカ史。読んでいて「好戦」という言葉に違和感を感じた。大陸に暮らしていた先住民に戦を仕掛けたり南北戦争後も黒人「区別」を続けたアメリカ。日本への原子爆弾を投下したりベトナム戦争では絨毯爆撃で森林を焼き払ったり枯葉剤を撒いたりした。「好戦」というより戦争をしないでいられない人々のように感じた。大戦後の様々な国における紛争への戦闘による介入を見ていると、日本も含む基地を世界に張り巡らしながら自国のみ防衛に勤しむ小心国に想える。それだけに怖さを感じる。2019/01/30

無識者

10
アメリカの歴史は戦いの歴史ともとれる。その中で、戦争を肯定していく勢力と、その方向性を随所で変えてきた戦争を制限する勢力とが存在してきた。しかしその制限する勢力も、最終手段として戦争を肯定する。アメリカは自由主義を標榜するが、「赤狩り」からうかがえるように、特に公の人は主義・主張・決断からパージ又は急速に力を失うことが多々あり、その風土がアメリカの大統領の決断を縛ってきた。ミュンヘン会談、中共革命、朝鮮戦争、ベトナム戦争…それぞれで早く叩く、転覆工作、長期戦争の忌避の必要性を権力者に植え付けた。 2016/07/21

RmB

9
日本の場合、首相が好戦的な国をめざしている。しかし、安倍氏に覚悟があるのだろうか?選挙で問うべきは改憲ではないか?集団自衛権、秘密保護法には国民の目を向けたくない。無関心でいて欲しいというのが彼の本音だと思う。集団自衛権を憲法解釈の変更で容認する前に米国の戦争観を学んだのだろうか?2014/11/24

中島直人

9
アメリカにおいて歴史的に形成されてきた戦争感の推移。民主主義の国における政治家とマスメディアの圧倒的な影響力に、改めて強い印象を受ける。2014/06/16

イソテルス

8
戦争は複雑だ。その目的は多面的であり、その中には戦時中に後付けされたり、修正されるものもある。過去の苦い経験が後々の決断に影を落とす。他国との戦争が、内戦で国内に生まれた溝を埋める。時には絶大な経済効果をもたらす。アメリカの戦争を通史的にとりあげた本書を読んで、戦争の実体というものは掴みきれないほど複雑で大きなものだと感じた。2014/11/16

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