出版社内容情報
米英軍による「解放」後のイラクでは、イスラーム勢力が権力を握る一方、イラク人どうしが暴力で対立しあっている。だが、どんなに過酷な環境にあっても、人びとは食べ続ける。イラクの現在を、土地に根付いた料理や食卓の風景とともに描き出す。
内容説明
米英軍によって「解放」されたイラクでは、イスラーム勢力が力を伸ばし、政治権力を握る一方で、イラク人どうしが暴力で対立する状況が生まれた。だが、どんなに苛酷な環境にあっても、人びとは食べ続ける。アラブのシーア派やスンナ派社会、クルド民族、そして駐留外国軍の現在を、祖国の記憶と結びついた料理や食卓の風景とともに描く。
目次
序章 チグリスの川魚―戦火を逃れるイラク人たち
第1章 祝祭の振舞い料理―シーア派社会の政治力学
第2章 ファッルージャの串焼肉―追い詰められたスンナ派社会
第3章 天国から降ってきたお菓子―イラク・クルドの苦難と繁栄
第4章 肉団子氏、コメ親父、料理親父―外国軍とどう向き合うか
終章 ひっくり返しご飯―革命と日常の風景
著者等紹介
酒井啓子[サカイケイコ]
1959年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。英ダーラム大学(中東イスラーム研究センター)修士。アジア経済研究所を経て、東京外国語大学大学院教授。専攻はイラク政治研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sibasiba
11
2008年発行なので情報は古いので注意。そしてタイトルに偽りあり。レシピ掲載が不似合いで日常ではなくフセイン政権崩壊後の政治潮流についての本じゃないか。色々勉強には成ったが期待とは違うぞ。2014/09/05
岡本匠
9
イラクは食べる 著者はイラクの政治研究を専攻している方。 この本は。イラクの各地域の料理と政治を絡めながら紹介していくというもの。 フセイン政権崩壊後、政情は安定すること無く、却って混迷を極めている。シーア派とスンナ派の対立、クルド人やトルコメン人などの民族の対立、産油国ならではの利権争い、米国をはじめとする外国軍とイラク民兵との紛争などにより、暗殺・誘拐が横行し、結果として国外へ脱出する人、国内難民となる人などが多数生じている。2018/01/14
おらひらお
5
2008年初版。タイトルから想像される内容と実際は大きく異なるものでした。著者は岩波新書でイラクとアメリカの関係を継続的にまとめているので、時系列でみると面白いと思います。2012/02/03
可兒
3
イラクの食文化と、それにまつわる人々の話かと思っていたら、イラクの食文化をダシに筆者が好き勝手語る話だった。もっと対象を絞ってほしい。PC開いて10分あれば私のようなガキでも書ける、アメリカ批判も自衛隊批判も今さら必要ありません2011/01/04
takao
2
ふむ2023/06/27