岩波新書
金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス

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  • サイズ 新書判/ページ数 220,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311232
  • NDC分類 338.9
  • Cコード C0233

出版社内容情報

サブピライムローン問題は現在の投機的金融システムの限界を明らかにした。プレトンウッズ体制の崩壊以降、金融が「リスク転売ビジネス」の性格を深めていった過程を具体的にたどり、金融に秩序を取り戻すために何をすべきかを真摯に問う。

内容説明

世界経済をゆるがしたサブプライムローン問題は、「カネこそが商品」となった現在の投機的金融システムの危機と限界を明らかにした。ブレトンウッズ体制の崩壊にさかのぼり、金融が本来の役割を離れて「リスク転売ビジネス」の性格を深めていった過程を具体的にたどる。金融に秩序を取り戻すために何をすべきかを真摯に問う。

目次

第1章 サブプライムローン問題が示したもの―金融システムの危機
第2章 金融の変質―「金融技術」の仕組み
第3章 リスク・テイキングの理論―シカゴ学派の論客たち
第4章 新金融時代の設計者たち―ミルトン・フリードマンを中心に
第5章 リスク・ビジネスのはてに―脆弱な金融
第6章 金融権力に抗するために―新たな秩序への道筋

著者等紹介

本山美彦[モトヤマヨシヒコ]
1943年神戸市に生まれる。1965年京都大学経済学部卒業。1969年京都大学大学院経済学研究科博士課程中退。2006年京都大学経済学部教授を停年で辞し、2006~2008年福井県立大学経済学部教授。現在、大阪産業大学経済学部教授、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

makio37

6
世に偏在する「金」を「融」かして必要とする生産者に回すのが金融本来の姿。しかし現在の「金融という構造的権力」は間接から直接へ、リスクと悪影響は世界中に分散するがリターンは一部の人間に集中させ、好調時は政治権力を批判するが苦境に立てば直ちにそれにすがる。抗する道としてイスラム金融やプルードンの相互主義等を紹介している。金融危機発生の後、リーマン破綻前に書かれた本書が期待した程の反省は、なされていないように思う。言及のある「ブレイディ証券」とは911で消されたという例のやつだな。2015/01/03

kaizen@名古屋de朝活読書会

6
岩波新書愛好会】何がいったいどうなったのだろう。 嘘を嘘で塗り固めたようなことが、本当に放置されていたのだろうか。 10年前に、警鐘を鳴らす本が出ていて欲しかった。 事後処理は無益ではないが、事前予防が大事のはずではないのか。リスク管理といいながら、リスクだだもれだったのだろうか。 本書は、現状を認識する上で必要となる、情報を整理してくださっています。2009/09/06

ハンギ

4
偏っているけど、勉強になる本だった。この本で証券化について知る事ができ、さらに興味がわいた。著者はサブプライムローン破綻からの教訓として、格付け会社(機関)やミルトン・フリードマンを批判する。証券化そのものについては批判していないと思う。フリードマンはマネーサプライとマネタリーベースを混同していると指摘しているが、著者の言う通りだったら問題だと思う。それと論文を得た対価としては多すぎる報酬をフリードマンはもらっていたのではないか。。製造業の後進国への移転は不可避なので、金融についても知識を深めたい。2012/10/22

カモメ

3
もともと金融への知識がなかったので難解でした。最後は金融を通して、労働問題や新自由主義への警鐘を鳴らす展開となっていて興味深かったです。ヘッジファンドのように、ハイリスクハイリターンな短期的で投機的な投資が増えてきています。投資の種類や仕組みはよく分かっていませんでしたが、少し勉強になりました。金儲けの為に金儲けをしている様子が、わたしたちの生活を置き去りにしてしまっているような印象を受けました。経済は科学ではないといった視点も興味深かったです。理論はどこまで現実に適応されるか気になりました。2017/12/06

さわ

3
金融とは、お金のある所からない所へ融資をすることで、経済に貢献していくことである。しかし、1970年代以降アメリカにより金融自由化が加速されると、金融は本来の役割を見失ってしまった。2016/05/08

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