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岩波新書
創氏改名―日本の朝鮮支配の中で

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311188
  • NDC分類 221.06
  • Cコード C0221

内容説明

一九四〇(昭和一五)年に朝鮮で実施された創氏改名は、単に朝鮮人の名前を日本人風に変えさせたものとして理解されることが多いが、実は複雑で多様な政策であり、同化と差異化という日本の植民地支配の特徴をよく表わすものでもあった。そのねらいは何だったのか。実施過程を検証するとともに、朝鮮社会に何をもたらしたかを考える。

目次

序章 何が問題となっているか
第1章 創氏改名まで
第2章 創氏実施と強制の実態
第3章 批判・抵抗と取締り
第4章 創氏改名における差異化
第5章 創氏改名の諸相
第6章 創氏改名がのこしたもの

著者等紹介

水野直樹[ミズノナオキ]
1950年生まれ。1981年京都大学大学院文学研究科博士課程学修・退学。現在、京都大学人文科学研究所教授。専攻は朝鮮近代史、東アジア関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナハチガル

11
教科書では一行くらいしか触れられておらず、そういうことがあったといううっすらとした記憶くらいしかなかったので、とても勉強になった。夫婦別姓には個人的に賛成だけど、女性は結婚すると姓が変わるのが当たり前と思い込んでいたのて、中国人の知り合いが奥さんをフルネームで呼んだりするのに違和感を感じていたものだが、韓国でも「姓は父親の姓を継ぐもので、一生変わることがない」という記述を読んで、目からウロコだった。読み物としては面白いものではなく、著者のバイアスのかかった憶測がちらほらあるのが難ではある。A。2020/02/01

二人娘の父

5
朝鮮統治の重要なトピックの1つである「創氏改名」。ただその内容が「創氏」と「改名」にそれぞれ意味があることを本書から学んだ。これは目から鱗の解明だ。そしてこの政策の実施時期が1940年という意味。翌年の米英開戦を控え、内鮮一体で、総動員態勢を構築しようとの意図は明確である。しかしその施行にあたってのあれこれが、植民地支配の矛盾を露呈している。著者も記しているように、これからの本格的な研究も待たれる、重要な論考である。2008年刊行。2024/02/21

unpyou

4
創氏改名とはどんな事だったのかを自分がいかに理解してなかったかが読んで良く分かった。朝鮮人の血族間の繋がりを解体、日本の家父長制度に再編成することで皇民化を図った総督府は、氏の戸籍登録は強烈に推進し本人の届けがなくば既存の姓を氏に強制登録した一方、改名は任意としたし改名した朝鮮人もごく少数だった。日本側の態度も割れ、天皇を頂点とした日本の大きな家族に朝鮮人も入れるなんて超幸運とばかりに宣伝する総督府の一方、朝鮮人が「区別」(差別)できなくなると困るので日本風氏名は困るという日本人も多かったという。2017/04/08

シフ子

3
221ミ 創氏改名は 日本の植民地支配の基本方針 朝鮮人同化政策を象徴する。日中戦争後 植民地朝鮮で強化された内鮮一体、皇国臣民化であり 朝鮮人に徴兵制を適用するために準備した。名前を変えるだけでなく血族中心主義から脱却させ 天皇中心の国体の観念を植えつけることが狙い。朝鮮人が日本風の姓名を名乗ることを禁じ 姓に一字加えるか 本貫に由来する氏にし 多くが朝鮮的な氏にしたため 名だけでも日本人か朝鮮人かがある程度見分けられる状態になる。但し在日韓国・朝鮮人の通称名全てが創氏改名に由来するものではないという。2011/09/11

けんいち

3
今までは創氏改名政策を、ただ漠然と名前を日本風に改めるだけの政策と考えていましたが、この本では日本人と朝鮮人の家族観の違いや、創氏改名に関する植民地当局と日本政府の意図やジレンマなどを知ることができ、面白かったです。2009/12/17

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