内容説明
「嫌われるのがこわい」「働いても生活できない」「まじめに生きてきたのに」…。競争が煽られ、効率性が求められる一方で、「場の空気」を読むことも要求される。心の余裕がどこか失われた現代社会の中で、人々の抱える「悩み」の中身も変わってきている。現代人の「悩み」の背景を丁寧に解きほぐし、どう向き合うかを考察する。
目次
1 嫌われるのがこわい―人間関係編
2 無駄が許せない―仕事・経済編
3 このままで幸せなのだろうか―恋愛・結婚・子育て編
4 老いたくない、きれいでいたい―身体・健康編
5 いつも不安が消えない―こころ編
6 まじめに生きてきたのに―社会・人生編
著者等紹介
香山リカ[カヤマリカ]
1960年北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医、帝塚山学院大学人間文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
46
悩み・・・・どこからかが悩みなのか、人それぞれだ。人は昔から何かに悩んできたのは確か、ただその質が変わったのか、それとも悩みの量も増えてきたのか、「悩み」というものの研究や追求が進んできたこともあるせいなのか。悩みの正体が少しは分かるかもしれないと思い読んだ。正直書いてあることが正体なのか背景なのかは分からなかった。「悩み」ということにメスを入れることは容易ではないし、それを探ること自体、他人事だから出来るのではないか。人に相談出来る悩みはともかく出来ないから辛いのだと思う。2015/04/04
paseri
7
豊かになったからこそ生まれてきた様々な「悩み」を現代人は抱えているように思います。それらに対して的確な指摘を与えてくれるのが香山リカさんです。物質的であるよりは、精神的なもので悩み、解決策が一人一人で異なってくるのが特色なのでしょうか…?「新型うつ」にも少し触れられていて、興味深い一冊でした。2015/05/30
Phai
6
タイトルに惹かれて流し読み。現代人の持つ色んな悩みを提示している点はやや興味深かったです。しかし、タイトルにある悩みの「正体」は十分に言及されておらず、悩みに立ち向かって考えることが重要と言いつつも、様々な悩みを基にした月並みな問題提起だけで、考察が足らないように感じました。流し読みなので、誤読しているかもですが。2017/01/06
ハチドリ
5
それははたして本当に悩まなくてはならない悩みなのか。そうでないはず。まではわかるけど、そんな悩みを持ってしまっている人には、だから何だろう?ってとこかな。本当はそこからが欲しい気がします。2016/01/24
はく
4
親の介護が原因でうつ病や過呼吸をおこし精神科を受診する人も少なくないとう。うつ病は七人に一人ががかるありふれた病気らしい。さまざまな悩みを紹介されていが、結局悩んでる本人より、社会や世間の問題なのではと提唱している。人生に落ち込みや悲しみはつきもの。立ち止まってため息をついてもいいのだ。と悩むことの必要性についても触れている。個人的には将来を不安がっている妻に「結婚は失敗だったのだろうか」の章を読ませたい。2015/01/10