岩波新書
冠婚葬祭のひみつ

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004310044
  • NDC分類 385
  • Cコード C0236

内容説明

しきたり、作法、正式―冠婚葬祭マニュアルにはこんな言葉が溢れている。だがこの百年の間にも儀礼の姿は時代とともに大激変を遂げてきた。「少婚多死」時代を迎え、家族の形が多様化した今、冠婚葬祭文化はどこへ向かうのか。現在の結婚と葬送をめぐる膨大な情報を整理し、「これから」にふさわしい儀礼の形を具体的に考える。

目次

第1章 冠婚葬祭の百年(明治の家と冠婚葬祭;昭和の結婚と優生思想;『冠婚葬祭入門』とその時代 ほか)
第2章 いまどきの結婚(今日的ウェディング狂想曲;結婚式に招待されたら;多様化する結婚の形 ほか)
第3章 葬送のこれから(現代葬儀の基礎知識;死の準備はどこまで必要か;身近な人の死に際して ほか)

著者等紹介

斎藤美奈子[サイトウミナコ]
文芸評論家。1956年新潟市生まれ。成城大学経済学部卒。文芸作品から社会事象までを対象に幅広い評論活動をおこなっている。『文章読本さん江』(筑摩書房)で、第1回小林秀雄賞受賞(2002年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヴェネツィア

398
斎藤美奈子が明治以降、現代にいたるまでの冠婚葬祭の「ひみつ」を見事に解き明かす社会学的考察の書。そもそも現代人で冠婚葬祭とは何かを自信をもって語れる人はほとんどいない。冠婚が慶事で葬祭が弔事であることくらいで、細部に至ってはマニュアル本に頼っているのが現状ではあるまいか。そのマニュアルにしてからが、かつては小笠原流、そしてこれが裏千家に取って代わられるのである。塩月弥栄子『冠婚葬祭入門』がそれ。この本は続編も含めると実に700万部も売れたそうである。そしてその後、結婚も、葬式も実は大きく変遷したのである。2021/09/09

mitei

285
歴史的に冠婚葬祭とはどういう風に、庶民が行ってきたのかがよくわかる。今の式はそこまで代々やってきたというわけではないんだな。2016/07/31

雲をみるひと

31
結婚式を中心とした冠婚葬祭の変遷についてまとめた本。冠婚葬祭入り乱れて時代順に掲載されていることから、結婚式や葬式といった各々のテーマ毎の繋がりが途絶える面もあるが、明治期、戦前、終戦後の結婚式と葬式の在り方から往時が読み解ける社会学的な要素がある。意外と常識と思っていることがあまり歴史がないことに対する気づきなど新しい発見も得られる。2022/06/26

Nobuko Hashimoto

31
前半は、たくさんの文献に当たったうえで、伝統や慣習とされているような「しきたり」が、案外ロイヤルウェディングからの流行りだったり、隙間産業的市場開拓によって誕生したものだったといったような事実を暴き出し、面白おかしく紹介。後半は、現代の私たちの結婚や葬儀事情と、これらをどう考えるか。「入籍」という言葉を使うのは、そろそろやめろ、誤解と混乱の元だときっぱり書いてあるのに、おおいに共感。ほんとそれ。「入る」んじゃないんだってば。死後のことは悩ましいなあ。考えておかなくちゃなあ…2019/08/10

佐島楓

26
冠婚葬祭のうち、特に「婚」と「葬」のいままでとこれからを考察した本。斉藤さんらしく、切るべきところはずぱっと切り捨てたり容赦なくツッコミを入れるところが面白い。特に歴史の部分は興味深く読んだ。結局あらゆる式は産業の一部なんですね。自分らしさを大切にしたいと思うけれど、やはりメディアに毒されている面も大きいと痛感しました。2013/06/13

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