内容説明
「普通の子」による凶悪事件、ネット犯罪、誘拐、学力格差の拡大、コミュニケーション不全…。情報化の進展など、社会を取り巻く環境が急速に変化するなかで、いま子どもの世界に何が起きているのか。さまざまな事例を丹念に検証し、今日の子育てや教育の問題点を具体的に指摘。現代における「思春期」の意味を改めて問い直す。
目次
第1章 激変する思春期の現状―進む大人とのボーダレス化(暴力を生きる子どもたち;ネット社会と思春期)
第2章 「思春期の危機」はなぜ深刻化するのか―今日的特性を考える(「危機」を加速させた「学力低下」批判;社会は子どもを育てているか ほか)
第3章 思春期の意味を問い直す―成長への条件を奪われる子どもたち(成長への条件を奪われる現代の思春期;思春期とは何か ほか)
第4章 時代を生きる力―新たな二つの課題(急がれるネット教育の確立;時代を生きる力とキャリア教育)
第5章 思春期とともに生きる社会―「子ども市民」の育成をめざして(求められる心かよう教育行政;「子ども市民」を育てる―大胆な子ども参画の拡大)
著者等紹介
尾木直樹[オギナオキ]
1947年滋賀県に生まれる。1971年早稲田大学教育学部卒業後、私立海城高校、東京都公立中学校教師を経て、教育評論家、臨床教育研究所「虹」所長、法政大学キャリアデザイン学部教授、早稲田大学大学院教育学研究科客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
ふむ2024/04/01
CBF
2
(★★☆☆☆) 情報化の進展など、社会を取り巻く環境が急速に変化するなかで、いま子どもの世界に何が起きているのか。今日の子育てや教育の問題点とは。現代における「思春期」の意味を改めて問い直すー。子ども目線を大事に、という全体を通しての主張はその通りと思ったけど、いくつかの提言は理想論すぎる気も...例えば、家族揃って食事を、というのは、言うのは簡単でも今や共働き家庭ではなかなか難しいのでは。 『子どもの問題は、子ども自身に相談し、子どもと対話を重ね、子どもの考えを聞くことです。』2019/09/15
unamaster
2
著者が尾木ママだということは購入後知りました。認知主義的な学力観、詰め込み方式はダメ。心を育てよ。といい、「地球市民」を養成せよとなんども書いています。その他具体的な教育行政の改革を示してはいますけれども、行政とはその方向性が間違っていれば間違うものでして。方向性は正しいのでしょうかね?「地球市民」の養成で。 2017/10/31
さのかずき2.0
2
難しい年頃にこそ大事なのは子どもの目線なんですね。あと、なんとなく遠ざけてたキャリア教育なんてのも思春期の子どもたちの生き方に関わるのでバカにできないなあ、と。2015/04/29
鵜殿篤
1
10年以上前の本で、個々の事例(学力やキャリア教育等)は多少古くなっているけれども、基本的な考え方は古くなっていないと思う。子どもの社会参画を促進する考え方は、これからますます重要になってくるだろうと思う。2019/09/08