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岩波新書
大欧州の時代―ブリュッセルからの報告

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004309970
  • NDC分類 333.7
  • Cコード C0236

内容説明

加盟国の東方拡大や、欧州憲法の頓挫を経て、EUはこれからどこへ向かうのか。そもそも巨大組織の仕組みはどうなっているのか。諸政策をめぐる熾烈な駆け引き、欧州外交の試みなどを多くの事例を通して描き出す。山積する問題を抱えつつも新しい可能性を模索し続ける、壮大な実験の現場からのレポート。

目次

第1章 ブリュッセルの素顔
第2章 大欧州支える論理と構造
第3章 新政策はブリュッセルに発す
第4章 欧州外交の新展開
第5章 欧州憲法への挑戦
第6章 岐路に立つ大欧州
エピローグ 二つの共同体―ヨーロッパと東アジア

著者等紹介

脇阪紀行[ワキサカノリユキ]
1954年生まれ。78年、京都大学法学部卒業、79年、朝日新聞社入社。松山支局、和歌山支局、経済部等を経て、90‐94年まで、アジア総局(バンコク)、95年、米国ワシントンへ研修留学(海外開発評議会研究員)、96年に帰国後は、東南アジア担当の論説委員など、2001年9月‐05年4月まで、ベルギー・ブリュッセル支局長。現在は、同社外報部次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

30
欧州委員会がEU全体の利益を代表するために(職員の身分保障など)制度化されているのは当然とはいえ感心させられた。実際、欧州の人々は国民意識の外に一周り大きいEU市民意識を持ち始めている。ただし、高度な福祉社会を築いた一部の国民にとっては労働条件や主権を脅かされるなど、EUへの懐疑も強まっている。また、異質な文化を持つ大国トルコの加盟問題に対する足並みの乱れなど、まだまだ課題は山積している。が、少なくとも国家を超える領域に代表を送ることによって、欧州の人々が新しい政治的主体性を模索していることは確かだろう。2014/02/11

Naota_t

0
★3.3 読むのに疲れた。EU創設は経済的な利点が大きかったからだろう。しかし、それ以外に様々な問題点もある。本書は06年の本であるが、今でもイギリスが近々離脱したり、その他EU内でも移民問題等で揺れている。EUでは、EU憲法なるものを作ろうとしたらしいが、数国は国民投票で多数で反対が上回り成立しなかった。また、成立した場合でも、改憲する場合はさらなる労力がかかるだろう。通貨統一や貿易協定だけならいい。しかし、それに付随した様々な問題がある。人種も信教も様々でまとめるにも限界がある。それがよくわかった。2017/06/01

kk

0
“バルト三国の加盟によって、EUはすでにロシアと境界線を接している。・・・古代ローマが四世紀末に帝国の膨張を御しきれず、東西に分裂してしまったように、EUが今のままの膨張を続けて、呆たしてその一体性と求心力を維持できるのだろうか。欧州が単なる地理的概念ではないとすれば、欧州とは一体、何を意味するのか”(193頁) 2006年の著作。著者の問い掛けは、その後の金融危機や緊迫化するウクライナ情勢を見るにつけいまだ有効だ。冷戦後、EUの拡大という方向性が唯一で不可逆だと広く信じられていた時代が懐かしくなる1冊。2014/04/09

なるみ

0
スウェーデン等では、自分のアイデンティティを「ヨーロッパ人」とする人が「スウェーデン人」とする人より多い、というのが一番面白い発見だった。ヨーロッパ人のヨーロッパ観とアジア人のアジア観は全く違うんだろう。2012/01/16

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