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岩波新書
日露戦争の世紀 - 連鎖視点から見る日本と世界

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  • サイズ 新書判/ページ数 249,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004309581
  • NDC分類 210.67
  • Cコード C0221

出版社内容情報

1904年2月,日本の連合艦隊による旅順港外のロシア艦隊への攻撃によって,日露戦争の火蓋は切られた.国際社会に参入して半世紀の近代日本は,どのような経緯で戦争を始めるに至ったのか.戦争の衝撃力は,時代と社会を超えてどんな新しい思想・文化や社会変革を呼び起こしたのか.終戦から100年,その世界史的意味を考察する.


★本書は『書評空間 KINOKUNIYA BOOKLOG』にエントリーされています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

93
日露戦争を中心としてそれが始まる経緯やその戦争が国際情勢に与えた影響をきめ細かに分析しています。明治初期から日清戦争、あるいはその後の世界各国の日本への干渉などを経て日露戦争になり戦勝国の日本というものが世界でどのような見方をされたのかがよくわかります。日露戦争自体は数多くの本があるのであまり細かに書かれてはいません。2016/02/05

coolflat

17
名著。なぜ日本が朝鮮・満州を必要とし、植民地を拡大していったのか。太平洋戦争で破滅に至る根源、要は植民地拡大を正当化する論理はどう形成されていったのか。日露戦争期を軸とした明治維新から第一次世界大戦までの世界情勢を通して論じ立てていく。西欧の主権国家体制と清朝の冊封体制の狭間で前者を選択した明治維新後の日本は、その一員となるため、冊封体制を再編(解体)することを欧米諸国に示していく。そのための第一段階が冊封体制にあった隣国朝鮮を主権国家体制に組み入れることで、日清戦争とはその朝鮮を巡る日清間の戦いだった。2019/11/09

寝落ち6段

12
明治の日本が目指した近代化とは何を指していたのだろうか。元々、欧米へ脅威から江戸幕府が倒された。近代化とは単純に言えば、欧米化であった。欧米の脅威はアジアを席巻していた。国際社会は欧米を中心に回っており、欧米の論理で事が運ぶ。そこに飛び込んだ日本は、ヨーロッパとアジア、キリスト教国と非キリスト教国、白人と黄色人など、差別の論理にも直面する。而して日本は、その野望の為に同じアジアを侵食しようとした。その結果が日露戦争であり、後の世界大戦につながる。大変丁寧に、且つ、多面的な検証をもって描かれた名著だと思う。2021/01/15

Akiro OUED

4
日清戦争の勝利に湧いた日本人は、独仏露の三国干渉で意気消沈。これが、日露戦争の遠因らしい。日露の国力差から見ると無茶な開戦だったけど、ロシアの戦争遂行意志の喪失で無理が通った。案の定、道理が引っ込んで、日本はアジアの公敵になった。歴史は繰り返すとするなら、日本の再軍備は危険。2022/01/10

rubeluso

4
第一章から第三章までで日露戦争に至る国際情勢を整理し、第四章で日露戦争が与えた衝撃を叙述し、第四、五章で日露戦争後の思想の伝播が紹介されている。日露戦争そのものよりも、日露戦争を媒介にして、どのような思想連鎖が起こっていたのかを叙述していくスタイル。 日露戦争の勝利における「有色人種の解放者」としての日本と、その後の「アジアの公敵」と見なされる日本を、海外の人物の評価を通じて浮き彫りにしていくのが面白いと思った。2015/08/22

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