岩波新書
国連とアメリカ

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  • サイズ 新書判/ページ数 242,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004309376
  • NDC分類 319.9
  • Cコード C0231

内容説明

イラク戦争をはじめ、アメリカはなぜ国連に敵対的な姿勢をとり続けるのか。国連がアメリカを一員とする世界秩序の中心となるには、何が必要なのか。国際連盟と国際連合の創設時にまでさかのぼりながら、国際機構に対するアメリカの姿勢の変化をたどり、「帝国」と「多国間主義」の相克という現代世界の問題に迫る。

目次

序 「アメリカの下の国連」か、「アメリカ対国連」か
第1章 二〇〇三年対イラク戦争の衝撃
第2章 理念の挫折―国際連盟からの途中下車
第3章 国連建設への奔走―調整者アメリカ
第4章 浮遊する申し子―国連という機構
第5章 居ごこちの悪い場所―反多国間主義化するアメリカ
第6章 国連ルネサンスの幻影―アメリカの再登場と再退場
終章 アメリカなき国連?

著者等紹介

最上敏樹[モガミトシキ]
1950年北海道生まれ。1974年東京大学法学部卒業。1980年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。国際基督教大学教授、同大学平和研究所所長。専攻は国際法、国際機構論
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nobu A

5
非常に示唆に富み、興味深い内容。2005年初版。十年以上経ち、最新情報も不勉強だが、学生時代から世界を統括する組織があるなぐらいの漠然とした知識しかなかった国連関連情報。米国の反国連姿勢の歴史を紐解く。国連発足からの変遷。憲章内容や各機能等様々な情報と問題点を筆者の考察を交えて解説。教師不在の教室で小学生だけで平和的に運営する困難さと比喩的な想像をしてみた。第2代事務総長の「どれだけ対立があろうとも失うには惜しい共通財産を持つ人類をその喪失の淵で踏みとどまる為に作られた」が心に響く。本著から学ぶこと多数。2019/11/28

takao

2
ふむ2022/12/26

ponkts

2
単独行動主義(ユニラテラリズム)と多国間主義(マルチラテラリズム)は本質的に相容れないものであるが、本書は両者をアメリカと国連の関係に照らして考えることで、なぜアメリカは自らが主導して作ったはずの国連にしばしば敵対する姿勢を取るのかを構造的な問題として浮き上がらせている。第 6 章のアメリカ批判(平等性、合法性なきアメリカ批判)が根拠薄弱で説得力に欠ける面はあるが、イラク戦争からまだ間もない 2005 年に書かれたものであることを割り引けば、懇切丁寧で新書として現在でも読むに耐えうるものではないかと思う。2015/01/20

シュミットさん

2
国連−アメリカ関係史の入門書。ブッシュは国連の歴史に容易に拭うことのできない汚点を残し、一部先進国もこれに同調した。オバマのアメリカと国連との関係に期待をもちたい。2009/02/03

カネコ

2
◎ 国際連盟・国際連合の創設時から2003年のイラク戦争に至るまで、アメリカの対外政策と国際機構に対する姿勢の変化を指摘し、問題点を明らかにする書。単独行動主義、自己例外主義、平等を生きられぬ国、合法性を生きられぬ国、偽装多国間主義、等々、見出しの言葉がその輪郭を如実に示している。2008/10/09

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