岩波新書
ポストコロニアリズム

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004309284
  • NDC分類 334.5
  • Cコード C0220

内容説明

植民地主義のすさまじい暴力にさらされてきた人々の視点から西欧近代の歴史をとらえかえし、現在に及ぶその影響について批判的に考察する思想、ポストコロニアリズム。ファノン、サイード、スピヴァクの議論を丹念に紹介しながら、“日本”という場で「植民地主義以後」の課題に向き合うことの意味を考える、最良の入門書。

目次

第1章 一四九二年、コロニアルな夜明け
第2章 「食人種」とは誰のことか―カニバリズムの系譜
第3章 植民地主義からの脱却―フランツ・ファノンとアルジェリア
第4章 「西洋」と「東洋」―エドワード・サイードとパレスチナ
第5章 階級・女性・サバルタン―ガヤトリ・スピヴァクとベンガル
第6章 「日本」にとってポストコロニアリズムとは何か

著者等紹介

本橋哲也[モトハシテツヤ]
1955年東京生まれ。英国ヨーク大学英文科博士課程修了。東京都立大学助教授。専攻はイギリス文学、カルチュラル・スタディーズ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

40
人喰い人種というなじみ深い言葉が植民地主義のもたらした幻だと知り驚いた。しかし一方ではスウィフトやサドのように人喰いを西洋内部から武器にしていった作家や、外から西洋を喰う生命の象徴に見立てたラテンアメリカの芸術家がおり、ファノン、サイード、スピヴァクらによる一連の抵抗運動があった。支配に屈しない人類の逞しさに勇気づけられる。コロンブスが出帆した時から、異なる歴史を生きる他者との出会いにこそ人類の未来があったのだと思う。傷つけ合うのはもう沢山だ。残存する様々な傷を乗り越え、出会いと友好の場を築いていきたい。2014/02/16

塩屋貴之

6
危険な一冊。義憤に駆られる、じゃないけど読んだ人を熱くさせるものがある。それはたしかに面白く読めるからまずはいいんだけれど、なんだか巨大なフレスコ画を見せられているような気分になる。整合的に過ぎるんだとおもう。ぼくは自由で平等で博愛的な人間の関係に憧れるけど、それを現実のうちに到来させる唯一的な方法の実在を信じない。「帝国/植民地」の二項対立を攪乱するのは差別に自覚的な澄み切った精神などではなく、弱く濁った誤りやすい身体ではないか。2011/04/29

kenitirokikuti

5
図書館にて。2005年刊行。まだベネズエラでチャベスがブイブイ言わしてたころの本なので、その辺の記述を読むと酸っぱい顔になってしまう▲著者は「合州国」と書くタイプのひとなので、そういうスタンスである。自分は太田竜とかも呼んでるから、ポスコロはもうたくさんだよ▲05年なので、中国が大国化していない。2020/08/20

☆☆☆☆☆☆☆

3
うむ。the左って感じ 笑。最終章まではいい感じなんだけど、日本の話になった途端に、それまでさんざんサイードやスピヴァクが疑い返してきたはずの「弱者」や「正義」が絶対普遍の基準になったうえに本質主義的に区切られた集団へと適用されてずっこける。その超越(論)的視点を僭称するエリートこそまさしくポスコロが批判してた相手じゃなかったのか。2017/03/23

カリスマ予備校生

3
終章で唐突に憲法9条が出てくるのはいただけない2015/05/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/543650
  • ご注意事項