岩波新書
家計からみる日本経済

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  • サイズ 新書判/ページ数 213p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004308737
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C0233

出版社内容情報

改善されない長時間労働,広がる所得格差,増加する貧困家計….長期不況のもと「成長至上主義」の生んだ歪みが深刻化している.生活者の「家計」から日本経済を分析し,産業重視の政策からの転換を説く.

内容説明

戦後、目覚ましい高度経済成長を遂げた日本。しかし「成長至上主義」は、一方でゆとりある人間らしい生活を常に犠牲にしてきた。そして、いま長期不況のもとで、その歪みが深刻化している。サービス残業は増え続け、所得格差は広がり、貧困家計も増える一方である。生活者の「家計」から日本経済を分析し、産業重視の政策からの転換を説く。

目次

第1章 行き先を見失った日本経済(経済成長至上主義の限界;長期不況を脱却するための政策論議 ほか)
第2章 家計からみた戦後の日本経済(戦後日本経済の軌跡―家計の貧困から経済大国へ;消費の拡大 ほか)
第3章 豊かさを実感しない家計の存在(経済成長を支えた長時間労働;高すぎる物価水準 ほか)
第4章 家計の経済危機(貧困家計の増加と所得格差の拡大;長時間労働と失業不安という矛盾 ほか)
第5章 社会保障制度改革と家計の対応策(社会保障制度の改革;低成長下でも豊かに生きていくために)

著者等紹介

橘木俊詔[タチバナキトシアキ]
1943年兵庫県に生まれる。1967年小樽商科大学商学部卒業、1969年大阪大学大学院経済学研究科修士課程修了。1973年ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。その後、米、仏、英、独の大学・研究所で教育職・研究職、大阪大学・京都大学助教授、京都大学経済研究所教授を経て2003年より京都大学大学院経済学研究科教授。男女共同参画会議議員、経済産業研究所ファカルティフェロー兼任
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

59
この本は2004年に出版された本で内容・資料は若干古いのですが、言われていることはあまり変わっていないと感じます。著者は理論的なことよりも政策による法令の変更や実体の数値などを基本に書かれているので説得力があります。2015/06/23

佐島楓

27
日本の最低賃金が世界的に見ても低い水準にあることにげんなりした。これではデフレも進むはずである。社会構造的にもう高成長は望めないということにも同意せざるを得ない。知識は増えたけれど重たいテーマだった。2014/06/23

壱萬弐仟縁

10
9年前の本。家計の重要なワケは、自信、安心、不安、満足、不満という心理要因の影響を受け、消費、貯蓄、労働、余暇に決定的な影響を及ぼす(12頁)。低下する貯蓄率(46頁~)は、1999年のデータに比べても、悪化しているのは容易に想定できる。低所得者の増加(123頁~)。塾や家庭教師の習い事は当時はまだ多かった模様だが(200頁)、今は、富裕層以外はみな、カットの模様。これでは景気は良くなっているとは、日銀は判断できないでしょう。2013/08/09

saho

3
身近な「家計」から日本経済について分析した本。世代間の格差や社会保障に等不安や問題が整理され、対応策が具体的なのと、身近な話題な為分かり易い。2010/06/02

Naota_t

2
★3.2、11刷もされていて、さぞ名著のようだが私には響かなかった。戦後から現代に至るまでの家計の変遷は興味深い。中でも、著者が力強く解説していた除災の社会進出について。戦中は男女共働きが普通であり、専業主婦はほとんどいなかった。それが、戦後の社会インフラや家電の発達、サラリーマンという働き方、日本人の長時間労働への美徳(悪徳?)により、専業主婦が出現、女性の憧れにもなる。しかし、それが今や、近い将来なくなる職業ランキングとしてランクインするに至っている。社会の動き、趨勢とは面白いなぁ、と改めて思う。2017/04/07

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