岩波新書
「都市再生」を問う―建築無制限時代の到来

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 242p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004308324
  • NDC分類 318.7
  • Cコード C0236

出版社内容情報

オフィス・ビルや高層マンションの建設ラッシュがつづく大都市.その背後では,巨大建築を可能にするシステムづくりが進行していた.「都市再生」を推進する政府や財界の思惑に迫りながら,荒廃する都市生活の実状を報告する.

内容説明

オフィス・ビルやマンションの建設ラッシュがつづく大都市。その背後では、都市計画の思想を御破算にし、超高層建築を可能にするシステムづくりが進行していた。それを推進する政府や財界の思惑は何か。「都市再生」の動きは、市民の生活に何をもたらすのか。荒廃する都市生活の実状を取材しながら、「新しい公共事業」の実相に迫る。

目次

第1章 林立するオフィス・ビルとマンション
第2章 都市再開発の新システム
第3章 規制緩和の嵐
第4章 仕掛け人たち
第5章 翻弄される人々と町
第6章 美しい都市をつくる権利―超高層ビルに対する完全な抵抗のために

著者等紹介

五十嵐敬喜[イガラシタカヨシ]
1944年、山形に生まれる。1966年、早稲田大学法学部卒業。現在、法政大学教授・弁護士

小川明雄[オガワアキオ]
1938年、東京に生まれる。1961年、東京学芸大学英語科卒業。AP通信社、朝日新聞社を経て、現在、ジャーナリスト
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takao

2
ふむ2023/08/05

バーニング

1
約10年前の小泉政権当時の一冊は、その政権が都市再生の名目で有象無象の開発を進行させることを痛烈に批判する。例として六本木や秋葉原などの再開発があげられているが、いかに旧住民が置き去りであるかと、いかに食い止めることが難しいかを記述。後半に国立マンション訴訟の話もあるが、この訴訟が画期的と言われるのが切なくもある。時はアベノミクスと2020東京五輪だが、また同じことが繰り返されるだけではないかという懸念が残る。2013/10/07

ゐ こんかにぺ

1
何をしたいのかよくわからない「都市再生」によって、東京が空前のビルラッシュになっており、景観権が無視されつつある、という趣旨だが、1つあたりの都市圏がべらぼうに広い、都心回帰により都心部での住宅供給の需要がある、都市部で残された場所は上空か大深度地下しか内ない、という日本固有の事情もあるが故に、難しいところだと思う。それでも、全く住民の声を聞く気がない、というのもどうかと。住んでる人からは24時間365日関係することなので。2012/07/23

イカ飯

1
小泉内閣の「都市再生」を旗印とした規制緩和を、都市計画の放棄であるとして激しく批判する一冊。 日本の建築・都市法制は「建てる側」=建設や不動産などの大企業優遇であったが、小泉改革でこれがさらに加速したとする。全体を通じ“政官財の癒着によって市民の住居環境が脅かされている”という論調だが、ややくどく感じられる。 /2003年当時の東京における再開発ラッシュを前提としており、今読むと景気の良い話だなーという印象。 /国立マンション訴訟の一審判決直後で、これを高く評価している。2012/02/14

KN69

0
ある意味「都市再生」に生かされている人間としては、賛否両面から捉えていく必要があると思い読む。2017/10/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/212782
  • ご注意事項