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岩波新書
進化の隣人 ヒトとチンパンジー

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  • サイズ 新書判/ページ数 210p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004308195
  • NDC分類 489.9
  • Cコード C0245

出版社内容情報

人間の心はどのように進化してきたか.ヒトともっとも近い「進化の隣人」チンパンジーの心の奥を探ることで人間の「心の進化」の過程が見えてくるのではないか.世界的な霊長類学者である著者が,研究の現状を熱く語る.

内容説明

人間の言葉や数を理解し、コンピューターを使うチンパンジー・アイ。そのアイに二〇〇〇年四月、息子・アユムが生まれ、同じ年、研究所内に二人の女の子も誕生し、すくすくと育っている。私たちの「進化の隣人」チンパンジーの心と認識の世界を探り、親子関係のあり方や世代を超えて伝わる文化など、人類の「心の進化」の起源に迫る。

目次

第1章 心の進化の化石―チンパンジー
第2章 出産と子育て―親子関係のつくられかた
第3章 コミュニケーションと知性の発達
第4章 自己認識と他者理解
第5章 知性と教育の進化的基盤
第6章 「素朴な信念」から「科学的理解」へ

著者等紹介

松沢哲郎[マツザワテツロウ]
1950年愛媛県松山市生まれ。1974年京都大学文学部哲学科卒業。同大学大学院文学研究科心理学専攻博士課程中退。理学博士。同大学霊長類研究所助手、助教授を経て現在、京都大学霊長類研究所教授、中部学院大学客員教授。専攻は比較認知科学、霊長類学。1991年、秩父宮記念学術賞、1996年、中山賞特別賞、1998年、日本心理学会研究奨励賞、2001年、ジェーン・グドール賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マーブル

10
ヒトにとっての進化の隣人とも言える存在のチンパンジーを研究することにより人類の進化について知ろうとする。それが筆者の一貫したテーマである。化石を調べることももちろん重要なことではあるが、生きている対象を研究することで、形に残らない事象を調べることができる。 子育てを初めとする親子関係。コミュニケーションの取り方。自己認識と他者認識等の能力。フィールドワークと研究施設での実験・観察で得られるそれらは化石では語ることのできぬ生きたデータを与えてくれる。2021/03/06

Y田

7
チンパンジーは「黒くて大きいサル」か? 本書を読んでみて、違う生き物なんだなとよく分かった。"文化"があるのは全く知らなかった😳 ◆本書は主にチンパンジーの認知機能について研究で分かった事が記される。コミュニケーションの方法、鏡を見ての自己認識、他者と自分の区別、こういった心の仕組み、発達の過程、「文化」の発生、伝播など、とても興味深い。◆どの様にすればその問題設定、心の機能を目に見える形にできるかという、そのやり方を考えるのがこの研究の難しい所だなと思う。研究者さんスゴイなと改めて。2023/03/19

那由田 忠

5
 人間に近いのは順に、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンとなる。一番近い隣人を共に暮しながら観察する。アフリカに5カ所のチンパンジー研究地があり、その内2つが日本。国内の人工的施設でのパソコンを使ってのアイプロジェクトとギニアでの観察とを融合した研究成果。きわめて人間と近いことがわかる。他者の心の理解ができないかもしれない点が違いなのかと。その後の研究でもっといろいろなことが分かってきたので、それは最新の書物で読むかしかない。現に目の前に存在しないものを想像する力がチンパンジーにないらしいのだ。2013/10/10

花実

2
チンパンジーはサル(モンキー)の一種ではなくて、進化から見るとサルよりヒトに近い生き物なんだそうだ。実験で示されるチンパンジーの記憶力、知性の高さには驚かされる。また、他の動物には無くて、人とチンパンジーだけの共通点に「見つめ合う」という行為があるなども面白い。写真がたくさんあって、可愛くてたまらない。2010/12/19

町営バス

1
チンパンジーの神経発達がヒトと似たものであることが色々な認知心理学的実験により明らかにされていくことが面白い。著者の松沢先生は残念ながら不正で処分されてしまったが、チンパンジーの世界的権威であることは永久に変わらない。2021/05/21

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