出版社内容情報
紅花の艶やかな赤,紫根の深い紫,重ねた色の微妙な変化,そして繊細な色彩感覚と高い染織技術.古代植物染めの復元に取り組んできた著者が,実作者ならではの眼を活かしつつ,日本の色と衣と染の歴史を読み解く.
内容説明
紅花で艶やかな赤を染め、紫根から深い紫を取り出す。色を重ね、その微妙な変化を楽しむ。飛鳥・天平の美や『源氏物語』の世界は、その繊細な色彩感覚と高い染織技術を抜きにしては語れない。数々の古代植物染の復元に取り組んできた著者が、実作者ならではの眼を活かして読み解く、日本の色と衣と染の歴史。
目次
第1章 色と染めの発見
第2章 飛鳥・天平の彩り
第3章 王朝の色彩―和様美の確立
第4章 中世の華麗とさび―武家と庶民の衣
第5章 辻が花小袖と戦国武将
第6章 江戸時代の流行色
著者等紹介
吉岡幸雄[ヨシオカサチオ]
1946年京都生まれ、染色家。1971年早稲田大学第一文学部卒業。1973年美術工芸書出版社の紫紅社を設立。1987年生家の「染司よしおか」5代目を継承、植物染による日本の伝統色を専らとする
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感想・レビュー
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takao
2
ふむ2022/12/26
RYU
2
日本古来の植物染の復元に取り組む染師による、日本の色と衣と染の歴史。例えば赤色といっても、鉱物の朱による土器の赤、紅花の花による糸や紙の赤、茜の根による武士の甲冑の赤、昆虫によるスペイン渡来の毛織物「羅紗」の赤(猩猩緋)など様々。 簡単には手に入らなかった「色」。化学染料の普及によって自然染が次々と消えていく中、千数百年にわたって育んできた日本の伝統色の大切さや貴重さを感じさせられる。2014/06/15
だんご
2
染司 よしおかさんの本という事で、手に取にとる。用語に苦戦。時代毎の説明に染め物の流れが理解できる。特に源氏物語の解説に納得。どうりで古典の授業ではつまらなかったわけだ。いっそ美術の時間に解説してくれてあたら源氏物語が好きになったかも。今は服は安く手に入りシーズンで気軽に捨ててしまうけれど、手染めの手縫いの頃は、ボロボロの端切れになっても大事にしていた。その思いが伝わる一冊。2013/07/06
sachiefj
0
染物の歴史の奥深さが伝わってきた!2014/03/30
Alice Narumi
0
日本の色ってきれい、侘び寂って言う地味な色ばかりじゃない 赤や紫も好まれてた2012/06/08