• ポイントキャンペーン

岩波新書
女歌の百年

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 226p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004308133
  • NDC分類 911.162
  • Cコード C0292

出版社内容情報

『みだれ髪』刊行から1世紀.今日まで,短歌は女性に愛され続けてきた.与謝野晶子から俵万智まで,この100年に登場した女性歌人たちの作品とその生涯を探り,女性のこころの歴史,歌に託された精神の歴史をたどる.

内容説明

やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君―与謝野晶子の『みだれ髪』刊行は一九〇一年、二十世紀幕開けの年であった。それから今日まで、愛を歌い、時代を歌い、母として歌い、女として歌ってきた女性歌人たちのさまざまな作品と生涯を辿り、女性のこころに勇気を与えてきた短歌の魅力を伝える。

目次

1 『サラダ記念日』の登場―女歌の現在
2 『みだれ髪』誕生―与謝野晶子
3 「明星」の女性歌人たち―山川登美子・茅野雅子
4 深窓の佳人たち―九条武子・柳原白蓮
5 「新しい女」への目覚め―原阿佐緒・三ケ島葭子
6 歌と小説と―岡本かの子
7 『乳房喪失』の意味―中城ふみ子
8 歌のモダニズム―斎藤史・葛原妙子
9 敗戦の記憶の中から―河野愛子・森岡貞香
10 戦後社会と共に―馬場あき子・山中智恵子
11 もっと自由にもっと多彩に―戦後生まれの歌人たち
12 女歌のゆくえ―ふたたび与謝野晶子

著者等紹介

道浦母都子[ミチウラモトコ]
1947年和歌山県生まれ。歌人。高校時代から短歌を始め、早大在学中に短歌誌「未来」に入会、近藤芳美に師事。作歌活動のほか、評論やエッセイも手がける。著書に、『無援の抒情』(現代歌人協会賞、岩波現代文庫)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

117
近代短歌は、与謝野晶子と斉藤茂吉によって確立され、その後の2大潮流をも形作ったと思うのだが、茂吉が万葉ぶりにおいて普遍性をおのずと有していたのに対して、晶子はまさにそのまごうかたなき近代性においてこそ普遍的であったのだ。女歌の百年という時、それは晶子の切り開いた歌の世界とその継承であった。本書で紹介される晶子と同時代の山川登美子、茅野雅子も、一見地味なようだが、実はきわめて個性的だ。折口信夫に叱咤激励されずとも、近代以降の女歌は健在であるばかりか、その前衛性においてさえ、男歌を凌駕していたのではないか。2014/03/30

syota

35
先日山川登美子の歌を解説した本を読んで、与謝野晶子に劣らぬ歌人がいたことに驚き、自分の知らない優れた女流歌人がまだまだいるのでは、と思って本書を手にとった。予想通り、恥ずかしながら今まで名前も知らなかった歌人たちの大胆で艶やかな、あるいは繊細で清冽な歌の数々に魅了され、満ち足りた数日間を過ごすことができた。それぞれの歌人の歩みが簡潔に紹介されているのもありがたい。良書と思う。2017/12/10

kaizen@名古屋de朝活読書会

8
今昔秀歌百撰という古今の和歌(短歌)101集に 女性の歌人がいた。 本書で取り上げている 与謝野晶子 岡本かの子 齋藤史 河野裕子 を今昔秀歌百撰でも選出。 74, 誰見ても親はらからのここちすれ地震をさまりて朝に至れば, 与謝野晶子 84, ともすればかろきねたみのきざし来る日かなしくものなど縫はむ, 岡本かの子90, 思ひやる汨羅の淵は遠けれどそれを歌ひし人々ありき, 齋藤史 100, 君を打ち子を灼けるごとき掌よざんざんばらんと髪とき眠る, 河野裕子http://bit.ly/10CJ7MZ2012/04/21

ギルヲ

5
女流歌人のガイドみたいな内容ですが、歌集など読んだことなく、与謝野晶子と俵万智の名前をかろうじて知っている程度の私にはとてもためになる一冊でした。紹介されている短歌も、無知なオッサンにどれほど理解出来ているかは分かりませんが、なんだか沁みる歌が多かったように思います。「戦争に失いしもののひとつにてリボンの長き麦藁帽子」(尾崎左永子)とか、すごく良くないですか?(誰に言っているのか)ww2021/12/23

双海(ふたみ)

5
女流歌人の入門に適した一冊かと思います。2013/03/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/207786
  • ご注意事項