出版社内容情報
秋のサンマ,冬のブリ,夏のカツオ….日本人の食生活を豊かに彩ってくれる魚たちの暮らしぶりと,その味や料理法とのかかわりを語る.カジキの遊泳速度,フグ毒の正体,クロダイの性転換,出世魚の話など,食卓向けの話題満載.
内容説明
秋のサンマ、冬のブリ、夏のカツオ…。冷凍設備が整い季節感の薄れてきた今日でも、日本人の食生活を豊かに彩ってくれる「旬」の魚たち。その多様な姿かたちや生息場所、産卵期などを語り、その暮らしぶりと味や料理法とのかかわりを明らかにする。カジキの遊泳速度、アユの香りの正体、クロダイの性転換など、食卓向けの話題満載。
目次
1 マグロとトロ ヒラメのエンガワ
2 春は桜鯛、秋は秋刀魚
3 意外に美味なフカの刺身
4 アユは香りを食べる
5 カズノコは正月の味?
6 春を告げる白魚漁
7 魚の旬と産卵期
8 サバ街道今昔
著者等紹介
岩井保[イワイタモツ]
1929年島根県生まれ。1961年京都大学大学院農学研究科博士課程修了。現在、京都大学名誉教授。専攻は魚類生物学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
47
私たちが毎日食べている魚の生態と味の関係を考察したもの。恥ずかしながら、なぜ魚には赤身と白身があるのかなど考えが及ばなかった。生物学的に見てみると、いつもの食卓が変わって見えるかも?2015/09/10
isao_key
10
魚類学者である著者による旬の魚の食べ頃についてつづった読み物。気軽に読めそうなタイトルとは裏腹に、実証データに基づいた科学的根拠を示しながら魚の生態に迫り専門的な話も多い。ウナギがなぜ刺身で食べられないのか。「魚の刺身のこりこりした歯触りは筋肉の死後硬直の状態にもあるが、コラーゲン含量の影響も無視できない。ウナギの筋肉はコラーゲンの多いことがわざわいして硬いので、とても刺身では食べられない」と説明する。アユの香りの成分の中に、中高年特有の体臭である加齢臭の代表的化合物ノネナールが含まれていると聞いて驚く。2016/07/30
とりぞう
1
冒頭に俳句など掲載して文系本に見せながら、なかなかの理系本。「プランクトンを食べる魚の群れでは、群れの後部を泳ぐ魚は、前部を泳ぐ仲間が摂食した後を泳ぐことになるので、食物の配当は少ないだろうし、酸素量も減っていて、息苦しい」のだそうだ。あるいは「サメの仲間には鰾(うきぶくろ)がないので、ともすると体は沈みがちになる。胸鰭はここで揚力が生じて体を軽くする」ためにあるのだそうだ。「なぜうまい」のかはよくわからなかったが、魚について勉強になった。2014/10/26
サメ社会学者Ricky
0
魚全般に関する基礎知識が沢山書いてある。サメの記述が多いのは嬉しい。赤身・白身の説明やサメの浸透圧調節についてかなり分かりやすく書いてある良書。図書館の本だけど自分用に買いたい。2017/09/20
Alice Narumi
0
この本読んでると魚を食べたくなるけど、内容は凄く魚の生態とかに関してでした2012/04/26