出版社内容情報
5万人もの兵力が,なぜ日本にとどまるのか.新しい米戦略でどう変わるか.日米安保を超えてグローバルに展開する在日米軍の実態を,米国の情報公開制度を駆使しながら報告.米軍なき東北アジアの地域安全保障を構想する.
内容説明
五万人もの兵力が日本にとどまり続けるのはなぜか。米国の新戦略の中で、どのように変化するのか。米国の情報公開制度を駆使して多数のデータを蓄積してきた著者が、在日米軍の知られざる活動や市民生活への影響を報告。日米安保条約の規定を超え出てグローバルに展開するその実態に迫り、米軍なき東北アジアの地域安全保障を構想する。
目次
序章 市民意識のなかの在日米軍
第1章 日米安保下の在日米軍
第2章 在日米軍の全体像
第3章 在日米軍の活動を見る
第4章 脅かされる市民生活
第5章 在日米軍の将来を考える―非軍事の選択にむけて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おらひらお
7
2002年初版。在日米軍は自己都合で日本に駐留している面があることを指摘。また、力の空白論と瓶のフタ論の双方が駐留の根拠になっていることは面白い。しかし、戦後半世紀以上にわたり徴兵もなく、戦場になることがなかったことを考えると、金銭的負担が大きいかそうでもないかは意見が分かれるところではないでしょうか。2012/07/12
プータン
4
在日米軍の基本的知識についてまとめてある。著者は在日米軍の縮小論者。北朝鮮と在日米軍のミサイル所持数を比較して、「むしろミサイルに監視されているのは北朝鮮」という考えや、日本国に核が持ち込まれた(であろう)事実は興味深く読めた。私的には、在日米軍が日本の安全をになっている部分があると思うので、ある程度の駐在は仕方ないのかなぁと。ただし、沖縄でのレイプ・放火等は決して許される事ではないので、その当たりの制度等の改革は必要だと感じる。2013/03/29
ア
1
日米安保体制のおおまかな歴史、在日米軍の組織機構と活動、基地がもたらす地域への被害、在日米軍と日米安保の将来。作者は現在の安倍-トランプ体制の相互協力・軍備拡大の方向には批判的。代わるビジョンとして、「北東アジア非核兵器地帯」「専守防衛規範の徹底・拡大」が提示されている。これらビジョンの是非はひとまず置くが、最新の在日米軍・日米安保を掴む上で本書は役に立つ。 「彼我の市民の目線から現状を見ること」「北朝鮮の市民も我々と同じように怖さを感じているのでは」という指摘にはグッときた。2017/11/05
ふろいで
0
著者の名前を聞いたことがあって試しに読んだけれど、ページ数の割には多くの情報が詰められてる。この分野に興味を持ち始める時に読むのには十分だと思います。ただ、米軍の指令系統の複雑さ故に部隊名が出てきてもあまりピンとこなかったりしますが、それは止むを得ないですかね… あと、出版年が2002年ということもあり、自衛隊のイラク派遣などの項目については記載がないのが少し残念です。2010/08/27
やまべ
0
出版時期的にイラク戦争がカバーされていないのが若干不満だが、基礎文献としてはよいと思う。2010/05/23