出版社内容情報
世界中の人種とその文化のモザイクといわれるニューヨーク.時代に先駆ける芸術やエンターテインメントがここに集まり花開いてきた.この巨大都市に魅かれ続けてきた著者が,街歩きを楽しみながら,その歴史と文化を語る.
内容説明
世界中の人種とその文化のモザイクといわれるニューヨーク。時代に先駆ける芸術やエンターテインメントがここに集まり花開いてきた。この巨大都市に自由な「生」の昂場を感じ魅かれ続けてきた著者が、ブロードウェイ、グリニッチ・ヴィレッジ、タイムズ・スクェア、五番街などの街歩きを楽しみながら、その歴史と文化を語る。
目次
はじめに―ニューヨークを歩く
1 「取り引き」の都
2 「下町」を求めて
3 ブロードウェイ
4 タイムズ・スクェア
5 五番街
6 都の奥
7 「もっと大きな」ニューヨーク
著者等紹介
亀井俊介[カメイシュンスケ]
1932年、岐阜県に生まれる。1955年、東京大学文学部英文科卒業。現在、岐阜女子大学教授、東京大学名誉教授。専攻、アメリカ文学、比較文学
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
62
米文学研究者が滞在体験を元に、ニューヨークという都市を解きほぐそうとしたもの。歴史にのっとり北から南へと地区を区切って綴っていく。筆致は軽く読みやすいが、多作の学者だけあって内容は結構濃く面白く読めた。行ったことのない街でもその文化には親しんできた者として、今までの知識を立体化するのに役立った。しかも著者の姿勢が猥雑なものも遠ざけないのがうれしい。ちなみに著作は20年前。あの9.11直後の出版で、付記では触れてあるが事件以前の校了した内容には手をつけていないとのこと。さて20年で街はどう変わっただろうか?2022/02/09
雲をみるひと
21
2000年代前半に書かれたニューヨーク各論。具体的にはニューヨークの各エリアの形成の経緯や歴史を踏まえた各エリアの紹介。この20年でニューヨークは大きく変わったが街の形は変わっていないし今でもニューヨークを歩く上で参考になる。一方で最低限ニューヨークを知っていることが前提のような気がする。ニューヨークを知らない人が内容をイメージできるかは少し疑問に思う。2021/03/27
イソテルス
8
歴史的な視点と個人的な視点を行き来しながら、ニューヨークの様々なエリアについて説明している。 この歴史的な視点で語られたニューヨークが面白い。あるところでは、駅や劇場といった中心的な施設が周りを繁華街に変えてゆく。増え続ける人口が街を北の郊外へ伸長させる。芸術家の集まる区画が、家賃の高騰から移動してゆく。街とは人々の営みの集積だと理解しているが、それは時とともに流動的に変化してゆくのだ。2014/12/03
fritzng4
3
都市について書かれた本が好きだ。歴史、文化、建築etc.読んでいるだけで幸福な気分になる。しかし、世界に名だたる国際都市の中でもニューヨーク、特にマンハッタンについての本は意外に少ない。殊に、9.11以降は。本書は2002年に出版されたが既に著者がほぼ全てを書いた後にあの同時多発テロが起きたことから、国際貿易センターについても普通に記述がある。この本を読むと歴史を辿るために南から北へブロードウェイを歩きたい気分にはなるが、15年前に一度恐ろしい経験もした。とはいえ、ニューヨーク歴史散歩を楽しみたいものだ。2018/08/07
ルヴナン
2
旅行記。マンハッタン島を南端から北へ歩きながら、ニューヨーク史を断片的に語る。歩くのはハーレム迄で、マンハッタン以外はニューヨークじゃないとでも言いたげ。2019/02/06