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岩波新書
漢詩―美の在りか

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  • サイズ 新書判/ページ数 261p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004307686
  • NDC分類 921
  • Cコード C0298

出版社内容情報

中国をはじめ漢字文化圏の人々の歓び,悲しみをうたい,数多くの名作を生みだしてきた漢詩は,日本においても古来,短歌・俳句とともに日本人の詩情を豊かに育んできた.その魅力を「美」ととらえる視点から説き明かす.

内容説明

漢詩三千年の悠久の歴史は、中国をはじめ、漢字文化圏の人々の歓び悲しみをうたいつつ、数多くの名作を生みだして今日にいたっている。日本においても、古来、短歌・俳句とともに日本人の詩情を豊かに育み、独自の世界を形成してきた。広くて深い漢詩の魅力と生命力の実態―美の在りか―を、詩歌鑑賞の新しい視点から説き明かす。

目次

1 詩人とその詩境―典型を生んだ四人の詩人(陶淵明;李白 ほか)
2 主題とそのイメージ―志の之くところ(友情(閨怨)
戦乱(経世) ほか)
3 詩型とその個性―「かたち」と「こころ」(“美のかたち”としての主要定型;律詩と絶句 ほか)
4 詩跡(歌枕)の旅―名詩のふるさと(漢詩と風土;詩跡になった景勝地 ほか)
5 「文語自由詩」としての訓読漢詩―定型詩(和歌・俳句)との相補性(訓読漢詩の生命力;“視覚”と“聴覚”の二重性 ほか)

著者等紹介

松浦友久[マツウラトモヒサ]
1935‐2002年。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専攻は中国古典文学・日中比較詩学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

74
漢詩が好きだ。漢詩はイメージとリズムを極度に洗練させた言葉の芸術。本書は漢詩への理解を深めてくれる好著。「漢詩ではなぜ男女の恋愛はほとんど描かれないのか」、「飲酒をテーマにした詩が多いのはなぜか」といった疑問をこの本は解決してくれる。五言節句や七言絶句といった詩型の中にあるリズムの秘密や「白帝城」「黄鶴楼」と言った地名が呼び起こす詩情を丁寧に解説しており、漢詩の奥深い世界の一端を見せてくれる。有名な作品が分かりやすい解説とともに収録されており、漢詩のアンソロジーとしても一級品。2013/08/17

佐島楓

54
漢詩の持つ壮大さ、特徴は理解できたが、リポートとして論じられるかどうかは、すこぶる自信がない。2016/11/29

Hepatica nobilis

13
最初の2章は代表的な4人の詩作をたどり、ついで漢詩に特徴的な主題を論じる。おもしろいのは3章で漢詩の形式的な分類と傾向、さらにリズムや音韻的な分析を試みている。ここがとてもおもしろかった。日本の短歌や俳句との比較や特徴の分析も知らないことばかりだった。4章は詩跡を軸にし、5章では日本で古来行われてきた漢詩の訓読が文語自由詩として短歌などの定型詩と相補的な関係だったと論じる。ちょっと新書離れしている印象さえあって好著だと思う。残念ながら品切れのため図書館で借りた。2021/04/03

壱萬弐仟縁

12
中国知識人にとって、要職に登り、経世済民に従事するのは地位の保持は容易でない(9頁)。日本も同じだが。白居易は、人間の実質、本質としての自愛・自己愛を〝適〟を基調とし、正直に、明らさまに詠い続けた(84頁)。類書にない、リズム感の解説も付されているのはありがたい。音楽の楽譜の如しだ。二胡(清朝中ごろからの模様だが、広辞苑)の音色が似合う漢詩。中国音で楽しめる日はまだ遠いが、リズムを楽しむという側面も大きいと思う。2013/08/19

もち

4
白楽天の項目など、ひとが変われば説明の仕方も変わるのだな、という当たり前のことを実感した。和歌のリズム論に関しては、私の感覚とちがっているため、ほかのひとの意見もききたく思った。2015/10/29

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