出版社内容情報
軍事大国から,敗戦を経て経済大国へ.そしてその破綻による閉塞感-百年余にわたる日本の近代は思想において,どのような経験を重ねてきたのか.戦争と平和から暮らしの問題まで,その情景を描き,思想的意味を探る.
内容説明
軍事大国から、敗戦を経て経済大国へ。そしてその破綻による閉塞感。このような歴史を背負いつつ、百余年にわたる日本の近代は思想において、どのような経験を重ねてきたのだろうか。戦争と平和・民主主義の問題から、いのち・暮らしの問題まで、日本の近代が経験した思想の情景を描きだし、その思想的意味を探る。索引を付す。
目次
第1章 日本論
第2章 民主主義
第3章 戦争と平和
第4章 沖縄・在日
第5章 女性の問い
第6章 暮らしの思想
第7章 社会主義という経験
第8章 核時代の思想
第9章 いのちの現在
著者等紹介
鹿野政直[カノマサナオ]
1931年、大阪府に生まれる。1953年、早稲田大学文学部卒業。専攻、日本近現代史
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感想・レビュー
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すのさん
5
主に20世紀を中心とした日本の近代思想について。日本論、民主主義、戦争、沖縄・在日、女性、暮らし、社会主義、核、いのち、広く九つの分野の思想を紹介する。日本の社会思想史上に残る多くの人物、書物が簡単に触れられているので興味をかき立てられる。沖縄にあった反復帰論、在日の方の日本に対する精神的な克服、日本における社会主義(『日本資本主義発達史講座』講座派と労農派)など。2020/09/05
おらひらお
4
2002年初版。沖縄・核・戦争・女性などに関する問題や考え方を振り返るもの。ひとつひとつは短いですが、いろいろと考えるところありでした。2022/01/16
ぴろし
0
蔵書印ぽち。2015/01/24
夕凪
0
自分の無知を痛感。ろくに日本のこと知らないんだなあ・・・2013/08/25
Sho-san
0
多くの立場の具体的な人物の声を拾うことで、日本には様々な立場の人がいるのだと気づかされた。特に、社会主義運動や部落差別問題の中で平等や人権を訴える者であっても女性に対しては平然と差別している事実は見逃されがちであった。あとがきの「だがこんどの場合、書きながら気持ちが沈み込むのを抑え得なかった。課題の超えがたさを痛感したせいであろう。”もがき”ばかり書いてきたような気がする」p235 にあるように現在でも解消できていない問題は多い。原発問題も本書が危惧したように多大なる事故を招いてしまった。2021/03/26