岩波新書<br> ヒトゲノム―解読から応用・人間理解へ

岩波新書
ヒトゲノム―解読から応用・人間理解へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 197p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004307280
  • NDC分類 467.3
  • Cコード C0245

出版社内容情報

ヒトDNAの全塩基配列を読み終えた-2000年6月,クリントンは高らかに宣言した.ヒトゲノム解読はどこまで到達したのか.さらに進む遺伝子の解明,医学への応用,人間とは何かの追究.最先端の状況を日本の第一人者が語る.

内容説明

ヒトDNAの全塩基配列を読み終えた―二〇〇〇年六月、クリントンとブレアは高らかに宣言した。急速に進むヒトゲノム解読はいまどこまで到達し、これからどう展開していくのか。日本が中心となった二一番染色体全解読から何がわかったのか。さらに遺伝子の解明、医学への応用、人間とは何かの追究について、日本の第一人者が語る。

目次

1 ヒトゲノム計画前夜
2 遺伝・遺伝子・ゲノム
3 ヒトゲノム計画はじまる
4 21番染色体全解読
5 ヒトゲノムの全体が見えてきた
6 病気のゲノム解析
7 遺伝子のはたらきを調べる
8 ゲノム時代の課題

著者等紹介

榊佳之[サカキヨシユキ]
1942年愛知県生まれ。1971年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。九州大学教授などを経て、現在、東京大学医科学研究所教授。理化学研究所ゲノム科学総合研究センタープロジェクトディレクター。理学博士。専攻はゲノム科学
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

20
#説明歌 DNA組換え塩基配列と連鎖解析ヒトのゲノムを 2017/08/10

権現

6
「ヒトゲノム配列の概要を決定した」という言葉の裏側に、どれだけの研究と舞台裏が存在したかを学べる一冊。著者は国際ゲノムプロジェクト側の人間として、遺伝子の過剰なビジネス利用に警鐘を鳴らしている。原理的には遺伝子ビジネスは世界70億人が市場になりうる世界。それゆえに、本来の「人類を理解する」という目的から逸脱した情報の非対称が生まれることを危惧しているのだろう。遺伝病や感染症が、DNAの塩基配列1つの違いによって引き起こされるという話には、いかに人体が絶妙なバランスの上に成り立っているのかを実感させられた。2015/02/21

あさって

4
2003年ヒトゲノム完全分析完了の約2年前2001年初版で、ヒトゲノム分析の予算政治状況、民間企業競争、読解後「ポストゲノム」の研究課題、人材育成への提言などがなされています。ヒトゲノムが読解されようと即何かが変わるという訳ではない。遺伝子がどんなタンパク質をどう発現させるのか、そしてそれがどのような影響を及ぼすのか地道で果てしない研究への地図が作られただけ。あと、生物と情報処理に優れた人材育成・教育の必要性を強調していました。莫大な情報の蓄積をどう分析するのか情報の取捨選択ほど難しいものはないですね。2014/02/22

aki

2
そもそも染色体とRNA、遺伝子、ゲノムの違いがよくわからんレベルだからなあ。ゲノムは、その生物の遺伝子総量という理解でいいのかね。2000年、ヒトゲノム解読の国際チームと民間企業が「ヒトゲノム配列の概要を突き止めた」と発表。その国際チームのメンバーでもあった著者が、ヒトゲノムプロジェクトの概要と、その意義を述べた本。ここでも日本は「戦力の逐字投入」なのよね。官民ともに最初からフルスロットルで戦力を投入する米国に勝てるはずはない。それでも現場はよくやっていて、最小限の資源投入で最大限の成果を上げている。2022/11/27

つる

1
これ自体は2001年に書かれているのでちょうど国際ゲノムプロジェクトがセレス社との競争を繰り広げていた頃に書かれていて、そのプロジェクトに第一線で関わっていた著者の作品ということで舞台裏まで見えて面白かった。榊佳之さんの著書はもう少し新しいものを読んだことがあったので内容が重複することもありましたが将来の日本の教育に対する考え方まで(少しばかり)書いてあって、こういう思いを持って研究を続けている人がいるというのは忘れがちだなあと思いました。あとこれからは情報科学と生物学両方の協力が必要という話は、昨今話題2014/07/15

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