岩波新書<br> 日の丸・君が代の戦後史

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岩波新書
日の丸・君が代の戦後史

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  • サイズ 新書判/ページ数 255p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784004306504
  • NDC分類 288.9
  • Cコード C0230

出版社内容情報

日の丸・君が代に抗する人たちは何を訴えてきたのか.占領期から国旗国歌法成立後まで,数々の事件や出来事をたどり,戦後社会が思想・良心の自由と歴史の問題にどう向きあってきたのかを浮かび上がらせる.

内容説明

掲揚と斉唱の定着化をめざす政府によって、さまざまな軋轢が生み出されながら、人びとの心に刺さり続けてきた日の丸・君が代。それに抗う人たちが訴えるものは何か。占領期から国旗国歌法成立後にいたるまで、数々の事件やエピソードをたどり、戦後社会が思想・良心の自由と歴史認識の問題にどう向き合ってきたのかを浮かび上がらせる。

目次

第1章 占領下の「日の丸」「君が代」―一九四五~一九四九
第2章 再定着化をめぐる攻防―一九五〇~一九五七
第3章 押し出された「日の丸」「君が代」―一九五八~一九六八
第4章 強制と抵抗の狭間で―一九六九~一九八一
第5章 裏切られた沖縄―一九八二~一九八八
第6章 義務化と抵抗―一九八九~一九九八
第7章 法制化へ―一九九九年
終章 若い世代は考える

著者等紹介

田中伸尚[タナカノブマサ]
1941年東京都に生まれる。1967年慶応義塾大学卒業。朝日新聞社記者を経て現在、ノンフィクション・ライター
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Takao

3
2000年1月20日発行(初版)。1999年8月9日、国旗国歌法成立。1980年〜2020年の40年の高校教員生活を思い出しながら読んだ。巻末にあげられている参考文献も10冊近く読んでいるし、日の丸・君が代についてはそれなりに考えてきたが、通読することなく今日に至った。本書を読んで、戦後長い間、日本がアジア諸国を「侵略」したという加害意識が欠如していたことに改めて考えさせられた。日の丸も君が代も拒否する私は日本社会の中では少数派かもしれないが、「少数」の人たちを守るのが憲法・人権ではないのか。2023/08/25

とーとろじい

3
GHQの日の丸・君が代への判断保留から第二回国体(1947)での早速の登場、50年代からのNHK番組終了時での使用とマスメディアによる新たな天皇像創出に伴うイメージ変化、オリンピックなどを通じて60年代には既に国民の間に国旗国歌への抵抗感がなくなっていたという。58年には学習指導要領に国旗国歌が明記され89年には指導が義務化される。そして99年に国旗国歌法が制定され法的根拠が与えられた。著者は憲法が定める思想・良心の自由に立脚して日の丸・君が代の強制に反対する。残念だが令和の今でも問題意識は高まっていない2021/01/24

U-Tchallenge

2
一度読み終えたのだけど、はっきりと理解したとは言い難いので、再度読んでみた。うん、やっぱり一筋縄ではいかない問題だよな、と思う。法制化したおかげなのか、法制化したせいなのか、日の丸・君が代は浸透している。でも、それは歴史や批判している人々の思いを知ることのないまま浸透しているのではないだろうか。それは浸透というより、刷り込みではないだろうか。賛成・反対の前に、やはり歴史や思いを知ることが必要だろう。そして、そこでようやくスタートラインに立つこととなる。そこから初めて考え始めることができるのではないか。2021/02/01

壱萬弐仟縁

2
法制化される前に、デザインや歌詞やそのメロディーを国民に公募して、一番いいものを選ぶ、という手続きではなく、国会で決めたので、戦争のPTSDを抱えている年配の方、遺族からすれば、その心中を慮らざるを得ない。国旗や国歌の位置づけは、強制と抵抗の拮抗の中で生まれ、今でも、教育現場と為政者との対立という形でも色濃く残る問題だ。沖縄返還40年の今年、改めて、戦争や戦後の責任問題を考える。今後、マイナンバー制度との絡みがあり、憲法条文を照らして、個人の思想や信条、国民としての立場も問われていくのだろう。2012/07/04

U-Tchallenge

1
日の丸・君が代の歴史を概観できる一冊。それぞれの時でせめぎあいがなされてきた、ということがよくわかった。そして、日の丸よりも君が代の方が反対というかネガティブな意見が多いことがわかった。日の丸は国内よりも国外からの反対が多くありそうだ。この日の丸・君が代をどうしていったらいいのだろうか。すごく難しい課題である。にもかかわらず、日常的に議論が起こるものではない。だから、余計に難しい課題になってしまっているように思う。まずは歴史というか事実を知り、そこから各々が考えるということから始めないといけないだろう。2020/12/23

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