岩波新書<br> 憲法と国家―同時代を問う

岩波新書
憲法と国家―同時代を問う

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  • サイズ 新書判/ページ数 207p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004306269
  • NDC分類 323.14
  • Cコード C0230

出版社内容情報

市場経済の混乱,民族紛争などが続く中,あらためて,自由と国家が問われている.比較憲法の立場から,「近代国民国家」「人権」「民主主義」をめぐる論議の射程を検証しながら,立憲主義の意義と,「選択」の重要性を示す.

内容説明

「自由」主義市場経済の混乱、あいつぐ地域紛争・民族紛争など、未曾有の激動が世界を覆うなか、あらためて、自由と国家の意味が問われている。著者自身の憲法対話の実践を紹介しながら、「近代国民国家」「人権」「民主主義」といった基本的問題をめぐる現在の論議を検証して、「選択」の重要性を示す。刺激的な比較憲法の入門書。

目次

1 戦後史をさかのぼって―比較憲法見聞(1960年代の日本と西欧;70年代から「89年」へ―西と東の憲法対話のなかで ほか)
2 近代憲法の基本枠組―「国民」国家と「人」権(「近代国民国家の終わり」か?;「ヒューマン・ライツはヒューマン」か?)
3 近代憲法の制度運用―「民主」主義と/あるいは「法治」国家(「議会政治は政党政治」なのか?;「司法権の独立イコール裁判の独立」なのか?)
4 近代憲法を通して、また、それを超えて―あらためて憲法九条を考える(日本は何に「貢献」できるか)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

無識者

12
フランスといえば、文化的に特に人権の概念が成熟して、一般国民にも行き渡る国のように思われる反面、軍事大国でもある。(テロを肯定する気はないが)死刑制度を廃止する傍ら、海外のテロリストを狩りに行く姿に違和感を覚えた。ミュンヘンの経験が強く残っているのだろう。第一次大戦後不戦条約により防衛のみ戦争が認められる。しかし結局正当な戦争なんてありはしないとした点で9条は斬新である。もちろん、ルワンダとかで早く叩かなかったがためにという例がある。しかし武力では構造的暴力解決されないのでその方面で日本が活躍道もあろう。2016/07/24

K_1

3
憲法を勉強するんだ!という意気込みで読み始めると少し肩透かしを食わされた印象を持たれるかもしれない。薄い、と感じた。内容が薄いのではない。内容はある。しかし薄い。文字が水のような墨で縦書に書かれているような感じがした。比較憲法学の樋口陽一氏が憲法にも国家にも寄り切らずその中間を拠点として、独仏米英等と比較しながらⅠ章:戦後史、Ⅱ章:国民国家と自由権、Ⅲ章:民主主義、Ⅳ章:日本国憲法第九条を書く。・・たおやめぶりみたいな比較憲法学(に僕は感じた)。2012/05/18

kaizen@名古屋de朝活読書会

2
吉里吉里人 アイヌ新法 ミュンヘンの教訓 文学,地方,国際という異なる視点から、憲法と国家について考えている。岩波新書百一覧掲載http://bit.ly/10CJ7MZ2011/12/05

void

1
【★★★★☆】'99年刊行。「アクチュアルな同時代の問題に即した、ひとつの『比較憲法入門』」(あとがき)とあるが、入門とは思えないほどの理論的深みに満ちている。特に「人」権概念を解きほぐした第Ⅱ章は白眉。例えば、人権主体を「少数者・弱者」"である"ことに見出せば、権利ではなく保護の論理を優先させる空間になる(105頁)。強者であろうとする弱者、という擬制の上に、「人」権主体は成り立つのである(同)。ただし、全体的にやや詩的というか文脈を読ませる記述になっているので疲れる。2012/03/28

manuken

1
違憲審査基準がどうとかっていう細かい話ではなく、同時代の諸外国での問題と憲法との関わりはどのようなものかというのが新鮮で面白かった。日本の裁判所の人事を司法の内部で行ってることは、個々の裁判官の独立という点からするとどうなのかというとこもなるほどと思った 2011/10/02

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